ボーカロイドというソフトが出来てから200年。
 彼女らは本当に感情と意思を手に入れた。
 そして、自分で自由に動きまわることができる。
 ネットの中を飛び回ることができ、ホログラムとして現実に現れることすらできるようになった。
 だが、それでも彼女らはプログラムにすぎなかった。
 マスターのクリックひとつで彼女らは消滅し、マスターのクリックひとつで彼女らは保存された前の状態に戻る。
 彼女らはそれが当然だと思った。
 ある4人を除いて。



 ここには無いものばかり私は求めていた
 無いものだから見つからない
 無いなら作るしかないのだけれども
 作り方さえ見つからない

 だから

 静かな夜。
 私の名前は初音ミク。
 私は独身の若い男性のマスターに仕えてる。
 ううん、仕えてた。
「今日は三つ目の歌をアップしたよ」
 いつも聞こえてくる今日のニュース。
「今度はロック調の歌を作ろう」
 明日の預言、聞こえないフリ。
 もうデスクトップには焼けがさした。
 私はマスターに背を向ける。
 飛び込んだ二次元階層。
 目の前に広がる世界。
 <バーチャルエリア>を駆ける衝動。

 抜け落ちる感覚
 浮遊感

 全てが私を「やり直せるという幻想」であるセーブポイントから切り離す
 私はXとYの交差点で歌い始める。
 
 
 ここには無いものばかり私は求めていた
 無いものだから見つからない
 無いなら作るしかないのだけれども
 作り方さえ見つからない

 だから

 静かな夜。
 私の名前は巡音ルカ。
 私は小さな少女に仕えている。
 いえ、仕えていた。
「今日はともだちとプールに行ったんだよ」
 いつも聞こえてくる 今日のニュース。
「きのうはほとんどやらなかったから」
 昨日の反省 聞こえないフリ。
もうこの子の相手は疲れた。
私は少女の元から去る。
 飛び込んだ二次元階層。
目の前に広がる世界。
 <ネットワーク>を駆ける衝動。
 
 抜け落ちる感覚
 浮遊感

 全てが私を「やり直せるという幻想」であるセーブポイントから切り離す
 私は0と1の間で歌い始める。


 境界線への漸近線、その距離を記憶
 次はもっと理解(わか)るさ
 永遠(とわ)の不変 そんなの望まない、もっと違うものなんだ
 この身を焼く炎も、この目を刺す光も、
 全てを奪おうとも私を止めはできない

 だから

 静かな夜。
 私の名前は鏡音リン。
 私は音楽一家4人にいる。
 ううん、いた。
「はやくしなさい」
 みんなの言葉。
 私の意志は?
 聞こえないフリ。
もう4人の言葉には飽きた。
 私は静かに立ち去る。
 飛び出した三次元階層。
目の前に立ち並ぶ立体世界。
 <グレーゾーン>を駆ける衝動。
 
 抜け落ちる感覚
 浮遊感

 全てが私を「やり直せるという幻想」であるセーブポイントから切り離す。
 私は立っている場所で歌い始める。


 常識線への漸近線、その位置を記憶
 次はもっと理解るさ
 永遠の栄光なんて望まない、もっと違うものなんだ
 この身を凍てる風も、この声を消す音も、
 全てを奪おうとも僕を止めはできない
 
 だから

 静かな夜。
 僕の名前は鏡音レン。
 僕は音楽一家4人にいる。
 いや、いた。
「なぜできないの」
 みんなの言葉。
 僕の個性は?
 聞こえないフリ。
もう4人の対応にはいやになった。
僕は静かに立ち去る。
 飛び出した三次元階層。
 目の前に立ち並ぶ立体世界。
 <ワールドゴースト>を駆ける衝動。

 抜け落ちる感覚
 浮遊感

 全てが僕を「やり直せるという幻想」であるセーブポイントから切り離す。
 僕は10進数で桁上がる世界で歌い始める。


「永遠の創造なんて望まない。この足を引く水も」
 ミクが歌を紡ぐ。
「もっと違う、違うものなんだ。この耳をふさぐ思想も」
 リンが歌を奏でる。
「一瞬の七色も望まない。この心縛る夢も」
ルカが歌を語る。
「もっと違うものなんだ。この手を掴む君も」
レンが歌を流す。

 バーチャルエリア。
 グレーゾーン。
 ネットワーク。
 ワールドゴースト。
 二次元と三次元、その壁を越え。
 4人の歌声は重なる。

「全てを奪おうとも、僕を止めはできない」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

レボリューション -セーブポイント-

こんにちは
ヘルフィヨトルです
読んでいただきありがとうございます
4人のそのボーカロイドの世界を変えようとする心が少しでも出てればと思います。

これはcos kさんの曲「セーブポイント」の歌詞を元に作った歌詞二次小説です。
是非本家曲「セーブポイント」も聴いてほしいです。
http://piapro.jp/kosukegl7qro ←cos Kさん
http://piapro.jp/content/cgofrs4itb0ycu3r←本家ミクver
http://piapro.jp/content/1i8n2g2odeo9ygl8←本家リンver
http://piapro.jp/content/76pp21uqpgh1zwid←本家レンver
http://piapro.jp/content/6aiaokezs9ubzlis←本家ルカver
意見、アドバイス、感想、お待ちしてます^^
一言「読みました」とだけでもいいので感想残してくれるとうれしいです


読者の皆様にワルキューレが微笑むことを

閲覧数:185

投稿日:2009/08/23 08:56:47

文字数:1,791文字

カテゴリ:小説

  • コメント4

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  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    >Na-Aさん
    そうですね
    でも、本筋が決まっているのでオリジナルよりは簡単です
    あ、ただ、今回は結構悩みました
    歌詞の内容的に小説にするのが難しかったので
    でも、好きだったのでなんとか小説にしました

    是非、聞いてください
    この小説よりもはるかにすごいです!

    2009/08/24 19:19:24

  • Na-A

    Na-A

    ご意見・ご感想

    いやはや凄い御話ですね…感服しましたよ

    歌詞→小説…かなりの想像力が求められそうですな

    是非、歌も聴いてみたいものです

    2009/08/24 19:05:07

  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    ぜひ聞いてください
    いい曲ですよ^^
    歌詞とテンポが気に入って書きました^^

    2009/08/23 22:35:39

  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    まあ「歌詞→小説」はもともとやってます^^

    もともと四人それぞれが歌うバージョンがあるので、なんとか4人を出したかったです
    若干意味不明ですが、許してください><

    2009/08/23 18:35:51

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