彼女と目が合った瞬間、込み上がってきた俺の知らない感情。
彼女はすぐに目を逸らしてしまったけど、俺は彼女のあまりの可愛さに、目が離せずにいた。
彼女は少し動揺しているように立ちすくんでいたが、それからすぐに、自分の行く道へ走りだしてしまった。
その赤い後ろ姿を、俺は、昼飯のことなど忘れ、ただ、見つめ続けていた。
時刻は午後4時。
空はまだ明るく、森も静かなままであった。
俺はと言うと、昼に見かけた赤ずきんのことを考えると、鼓動が速くなって、息苦しくなった。
彼女へのこの気持ちはきっと、「食べたい」からではなく、「恋」をしてしまったからなのだろう。
確証があるわけではないけれど、俺はおおかみのごちそう、人間の少女に恋に落ちてしまったようだー…。
俺はもう、あの赤ずきんを探してはいけない、とは分かっていたが、また見つけることはできないか、という気持ちもあった。
無意識に、昼に行ったあの道のあの木の陰で隠れていたのは、きっとそのせいなのだとおもう。
まぁ、ちょうど俺がいる時間にここを通るわけないよな…。
と、諦めようとした時だった。
……ん?
俺は、ダメもとで彼女を探していたはずなのに、遠くに赤色がちらついているのを発見した。
彼女は、俺が来る少し前に、目の前の道を通って帰っていたようだ。
心臓が飛び上がりそうなほどに嬉しい。
こんなにも大きな喜びも、初めてかも知れない。
俺は急いで彼女を追いかけた。
ここは広い森も割と中の方だ。森を抜けて、人間が住む町絵と戻るまでに、早くても1時間はかかるであろう。
5時を過ぎれば辺りも暗くなってくる。
元々この森に入ってきた時点でおおかみなどの獣に襲われる可能性が合って危険なのに、暗くなってきたらなおさらだろう。
彼女が何者かに襲われたら大変だ…!
俺は声が届かない程度の所まで彼女に近づき、距離を保って彼女をつけていった。
どんなに想っていても、彼女に会うことは、出来ないから…。
彼女の後をつけてから約1時間ほどが経った。
彼女の足取りが、だんだんと遅くなっているのは気のせいだろうか。
こんな長い道のりを往復して疲れてきた?
それとも、俺のため…?
後者であってほしい、という小さな希望もあったが、そこは期待しないでおこう。
あぁ、もうすぐ森を抜けてしまう。
あと少しで俺たちはお別れだ。
会うことが出来たら、俺たちの未来は明るくなっていたのだろうか?
いや、それはないだろう。
俺たちの持っている能力は、ただ「会う」だけでは起こらない。
つまり、「会う」ことなら可能なんだ。
でも、一回でも会ってしまったらきっと、君に、触れたくなる。話したくなる。
だから、俺たちの「出会い」というのはただただ「終わり」へと続くシナリオなんだ。
…こんな、会うことも許されない物語なんて、残酷すぎるだろ。
でも、こんな風に罵った所で、俺たちの運命が変わるわけがない。
諦めるしかないなんてこと、知ってるさ。
運命は俺のこの想いを許してはくれない…。
ああ、どうして、俺が? どうして、君が?
おおかみと赤ずきん、なんだ…。
【自己解釈】おおかみは赤ずきんに恋をした【おおかみ2】
こんばんは^^
4月1日、エイプリルフールというのに、
誰にも嘘をついていないまま一日が終わりそうな亜梨亜です…。
…まぁそんなことは置いといて、おおかみバージョン2話目です!
良い感じのペースで投稿できてるので、次回も頑張ります><
偉大なるおおかみは赤ずきんに恋をした本家様↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18529569
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mikAijiyoshidayo
おはよう!モーニン!
全ての星が輝く夜が始まった!
ここは入り口 独りが集まる遊園地
朝まで遊ぼう ここでは皆が友達さ
さあ行こう! ネバーランドが終わるまで
案内人のオモチャの兵隊 トテチテ歩けば
音楽隊 灯りの上で奏でる星とオーロラのミュージック
大人も子供も皆が楽しめる
ほら、おばあさんもジェ...☆ ネバーランドが終わるまで
那薇
誰かを祝うそんな気になれず
でもそれじゃダメだと自分に言い聞かせる
寒いだけなら この季節はきっと好きじゃない
「好きな人の手を繋げるから好きなんだ」
如何してあの時言ったのか分かってなかったけど
「「クリスマスだから」って? 分かってない! 君となら毎日がそうだろ」
そんな少女漫画のような妄想も...PEARL
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