貴方の孵りは夏を告げた
地下の街は華やいでいるかしら?

暇(いとま)無く嗤う蜩(ひぐらし)
また 問いを掻き消していく

翅(はね)を休め
時雨を待つわ
思い出せぬ過去を脱ぎ捨てて

この聲(こえ)は
誰かの為に
子守唄を歌うのでしょう?

陽(ひかり)求める 群れたちも
夢を見ている
知らないうちに
知らないうちに…

灯(ともしび)の もとに戯れる
夢を繋いで
貴方は眠る
孵りはしない

帰りはしない…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

Shigure

光を夢見る蝉たちは、寂しさ故に地下に犇き、身を寄せ合う。
地上へ出て羽化した蝉は、地下にいた友のことさえ思い出せぬまま。
誰が為でもなく歌い始め、この夢を土に届けて死んでゆく。

死んだ蝉は、二度と揺り籠へ帰れない。
生きる蝉は、故郷を偲ぶことも叶わぬ。

せみのしぐれも、あだなり、あだなり。

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投稿日:2009/08/06 01:31:02

文字数:206文字

カテゴリ:歌詞

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