塗装が剥がれた外壁を指でなぞる
もうすぐ雪に変わる雨に打たれていて
心臓のスネア キックを打つ環境音のリズム
通奏低音はBPMを120で刻んでいる
映画が見れないのは独りじゃないから
ただ疲れているだけだ きみは
誰かのせいにしていた詩篇も
伝え忘れていた言葉も なんだっけ
潰れそうな肺で歌う
流れ星はどうやら見間違いの灯火さ
空を彩った想いの丈で出来たシンフォニア
虹の煌めきを剥がした白と踊れば
風邪を引く前に家に帰ろう
塗装の剥がれた世界を闊歩して彷徨う
誰かに産んでくれって頼んだ覚えもない
ひねくれた感性のファズとディストーション
あなたがくれた声と身体 何度、汚したっけな
社会との距離 思想、感情
僕だけにあるものを
誰かに譲らないままで生きている
言葉にできない たくさんのものも
潰れそうな肺の中さ
流れ星がどうやら見間違いのまま運んで来た
空 聞こえた気がした雷鳴が響いている
君の痛みが静脈まで伝うのならば
それだけはまだ忘れないで欲しい
遠い昔の小説 書き出しの憶えてない文章
ひとつずつ言葉を拾いながら
遠くへ投げた通信ケーブルが 今日に届くまで
流れ星はどうやら星団からはぐれた夜鷹
空を引き裂くように燃ゆる願いはシンフォニア
誰かの歌 誰かの音をなぞりながら
風邪を引く前に家に帰ろう
忘れてしまう前に家に帰ろう
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