趣味で時々詩を書きます
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塗装が剥がれた外壁を指でなぞる
もうすぐ雪に変わる雨に打たれていて
心臓のスネア キックを打つ環境音のリズム
通奏低音はBPMを120で刻んでいる
映画が見れないのは独りじゃないから
ただ疲れているだけだ きみは
誰かのせいにしていた詩篇も
伝え忘れていた言葉も なんだっけ
潰れそうな肺で歌う
流れ...ねずみ色の街について
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きみの赤毛が風にそよぐように 春ひさぎ、芽吹きを継ぎ
市民ケーン その終わりをひそめく あいつらには分からんような
予感を歌おう 自由のように
パンケーキを焼いたのかい 蜂蜜とバターを乗せて
窓を開けてごらん 陽射しが眩しいのかい?
鞄に詰め込んだ あるだけの忘れてないもの
大切にしてね あなただけ...イヴリン
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海を泳ぐように クリック クリック
溺れそうになるまで 歌う歌
お喋りな猫と友達だった 僕らの生活
夏休みのリビングを思い出すように
飲み掛けのいろはすを思い出すように
忘れた言葉の輪郭をなぞる夜に
あなたの声の波形 思い出すように
くたびれたミームが手を広げ 抱擁するように空を舞う
連絡帳の端っこ...波間を縫う
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バードマンのあの映画の終わり リーガン・トムソンは飛び立った
長い長い物語に区切りが付いて エンドロールが流れるのです
生活は徒労に終わる 定型通りのタイムラインとゴシップ誌の報道や
その昔のスーパーヒーローは 僕らの瞼の裏で眼神経にのみ宿っている
最低賃金すれすれの時給と 口元に出来た肌荒れの証拠...月曜日
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君だけの宝物の名前を
誰にも教えないまま 君しか知らないまま
図鑑には乗らない類の怪物が 僕らを呼んだ
幸せも呼んでくれたのだろうか?
真っ暗な夜 君の部屋の扉を訪ねて行った
そんなお化けが同じ様な声で話しても 扉は開けちゃ駄目だよ
不可能と真偽を継いで剥いで物語にしよう
あの日に見た幽霊船 きっと...ケセランパサラン
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インスタントミュージック そこら辺に溢れたシュガーをサーフして
またカフェイン中毒 茹だる夏と漕いだ自転車の色
僕は自律神経のイカれちまった 人間どもの仲間の一匹で
新世紀の動物たち くたばっちまえって嘯いて
陪審員を揶揄って追い出された
ヴィム・ヴェンダースの映画の世界へと
息を止めてずっと走り続...悪鬼羅刹よ一万光年を征け
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弱虫の泣き虫 意気地なし
明日へ向かう為の夜の話
歴史はこんな寒さの中で作られるらしい
これは誰かの受け売りの話
あなたを傷付けてないといいが
僕はもう どれだけ傷付いてもいいよ
嘘だよ 本当は傷付きたくないよ
誰かに届くといいなって 足りない言葉で紡いで吐き出した
僅かな本音が響いていたらいいな
...夜の詩
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どうにか この先のあなたの どんな未来にも
憂いや悲しみが無い事を祈らせて欲しい
ねえ どうにか あなたがもう泣かないように
素敵な音楽が溢れて欲しい
例えば 愛を知らないあなたは空回り
誰かに近づく事を酷く恐れている
例えば 真面目なあなたも傷付くだろう
その傷跡をなぞって 遠い過去を思い出すだろ...街の灯
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失くしたままの 遠い時代の私が
まだ言葉の中にあった くだらないままで
夜は心地良くて 明日が怖くて
胸の中にあるのは 僅かな喜怒哀楽
残滓の夏の陽を浴びて あの街まで
雫が滴る記憶をフィルム越しに
定点観測のままシーンが連なって行く
思い出せない 君の横顔も
香りごと想起できる流行歌も 感情になる...皺
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シーラカンスは夢見る この海の向こうへの浮上を
くだらない人生の結末は 廃品置き場で腐っている
「本当は叶えたい夢があったんだ」
もう時間がなくてさ、と彼は去って行った
幽霊少年は成仏出来ずに彷徨っている
僕らを取り巻く世界は もう救いようが無くなっている
本当は叶えたい夢があったそうな
もうすぐ ...ビビデバビデ
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相変わらず弱い自律神経 カフェインの摂りすぎ
また言葉を間違えて 何も喋れなくなっちまう
変わらないままの自分と 変わりゆく駅前の風景
増えた駐車場 自販機のラインナップ 名前も忘れた本屋の記憶
相変わらず未完成の小説 やっつい幽霊を聞いて眠る
二十半ばにもなって叶わぬ夢 違う 僕が臆病なだけ
そう...正体見たり、枯れ尾花
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脊髄を刺激するカフェインと脳信号
矢印で方向を示すみたいに
煙草で天を曇らせて 仰ぎ見ていた
明日はまだ手のひらの中
あなたが言うところの正しさに律されれば
均等になって運ばれる その躁鬱を蹴飛ばした
まあ、用は無いんだって
暗号みたいな言葉は要らない けれど 音が軋んで痛いよ
ノストラダムスの大予...再生と脈動
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アン・マリーの詩を歌った少年
教会の鐘が聞こえ
マルホランド・ドライブの その序章で
僕らは鬱屈を越え
書きかけのペンを取った
信じていたいんだ 僕は
It's time to face it
No matter who we are, in that life
痛みを切り取るように そっと
アルコ...感電する鼓動
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時々、心臓の鼓動で現在位置を確かめている
何処へ向かうか分からない感情を 咀嚼したら衛星になった
自転と公転のリズムで幸不幸は
くるくると廻っているとは限らないが
明日は良い事が起きるって 祈るのは悪い事じゃない
転んで擦り傷が出来たら
立ち上がる為の言葉が必要だ
今は、もう大丈夫 前に進むだけで十...痛覚
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窓際 空想が僕らの人生を描く
パパもママも知らない 冒険が一限の合図さ
誰かがくれたものが 身体と心を形作っている
真似た口癖とか 指を折る仕草だとか
焼き付いている
往来を征くパレードと楽器隊の夢
跳ねる鯉が龍になり雨を降らせたんだ
いつか本の外から飛び出した誰かが
僕の手を取って 踊れと囃し立て...約束
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私がもしも雲になったら
あの夏の日を
追い掛けて、眺めていたい
真っ青な世界の果てから
モネの絵画の様な着色の風景が
瞼の裏に張り付いたままの 死にたい夜
「どっどど どどうど」と、吹き荒ぶ風に逆らって
今日を生きる貴方の美しさが蛍火になった
私がもしも雲になったら
貴方はきっと触れないまま...青