数年前に買い換えた
ビデオカメラで街を撮る
機械音痴な僕だから
いつ観ることになるのかな

「なんにもない」と父が言い
「それがいいの」と母が言う
「外に出たい」と言った僕を
引き止めたのは父でした

セピアの記憶は夕陽のせいか
校舎の前であなたを見た気がした

あなたが去ったこの街を
今度は僕が離れてく
便利に変わるこの街じゃ
好きだと言った道さえ消えるんでしょう

数万円を払った先
近代的な街の中
機械音痴な僕だから
こんなに早く泣くのかな

夜でも眩しい世界の中じゃ
夢の光が見えず迷子です

あなたがいないこの街を
いつしか好きになるのかな
あなたの代わりを見つけて
好きだと言ったことさえなかったことに

あなたが去ったこの街を
今度は僕が離れてく
便利に変わるこの街じゃ
好きだと言った道さえ消えるんでしょう

二人が去ったこの街で
なにかの縁で逢えたなら
あの日のように歩きたい
好きだと言った道がもう無いとしても

あの日のように好きとは言えないけれど