グミは、私が泣きやむまで、ずっと背中をさすってくれていた。
途中で昨日と同じく朝練を終えた野球部の男子達がぞろぞろと教室に入ってきたが、あえて何も言わず、バッグを置いたら気を使うように静かに教室から出ていってくれた。
私が落ち着いた頃に、少しずつ教室に人が増えて言った。
目が赤くなっていたから、他の人には見えないように斜め下を向いてグミとの会話を再開させた。
「グミ、ありがとう。私、レンに謝るね。それで、自分の思っていることも言う」
「うん、それがいい!」
グミは最後まで私の話を嫌な顔一つしないで聞いてくれた。
グミのおかげで、考え方を変えることが出来たよ。本当にありがとう…。
そして、今日もキツイ練習の部活が終わり、家に帰った。
でも今日は、今までよりも、楽しく出来た気がした。
どうやって謝ろうかと考えながら帰った私は、とても緊張していた。
レンの怒りはまだ収まっていないようだ。目を合わせようともしてくれなかった。
それはそうだ。だって、私が性格を知りもしないで「バカ」と言った美術部の部長さんは、レンが一番慕っている先輩だったのだから。
もし私とレンの立場が逆だったら、グミのことを「バカ」と言われたようなものだろう。そんなことを言われたら、私だって怒る。
どうしよう…。
今日も親の帰りは遅い。下手なことを言ったらまた喧嘩になってしまうだろう。
私の鼓動は、レンに話しかけようと思うたびに速度を増していった。
そして、勇気を出して、言った。そん声は、震えていた。
「あの…、ごめんあさい…」
レンは無言でこちらを向いた。驚いた顔をしていた。
でもすぐに元の向きになおして言った。
「何が?」
どうやら、口は聞いてくれるようだ。
「私…何も知らずに、レンとレンの先輩の悪口なんかを言って」
姉は無言だった。表情は、見えなかった。
そして私は、震えたままの声で続ける。
「私ね、羨ましかっただけなの。レンが努力してるの知っているのに、絵とか、上手だし…。私は努力しても報われてないんじゃないかって」
また、目頭が熱くなってきた。でも、まだ泣いてはいけない。
あと少しだけ、言うまでは。
レンの方をチラッと見ると、表情こそ見えないものの、レンの体が小刻みに震えているように見えた。
「私、頑張るから!やって見せるから…!だから、許して…。また、いつもみたいに話したいよぉ…」
言いたい所まで言ったら、涙が溢れてきてしまった。でもレンも同じようだ。
レンは私の方に来て、気付いたら私はレンの肩で泣いていた。
「俺も、悪かった。リンの気持ち、全然考えないであんな態度とって…。何日も冷たくして、本当にごめん」
「レ、レンはっ、悪く、ないよっ」
泣きながら鼻声で言う私に、レンは最後に一言だけ言った。
「謝ってくれて、話しかけてくれて、ありがとな」
一回泣きだしてしまった私は、溜まっていた3日分の涙を全て出した。
その時、レンも静かに泣いていたように感じた。
次の日、今日は早く学校には行かなかった。久しぶりに、レンと一緒に家を出てきたのだ。
私達は、3日間話していなかったため、お互い話したいことがあり過ぎて、登校時間まで使って話していた。
学校の門を入って私のクラスの窓を見ると、そこからはグミが私達を見て手を振っていた。
そして、教室に入ると、グミが私を待ち構えていたように、笑顔で迎えてくれた。
「おっはよう、リン!」
いつもよりテンションの高いグミの声を聞いて、私も、いつもより元気に挨拶した。
「おはよう!グミ!」
「これからも、部活頑張ろうね!最後まで一緒に続けようね!」
この時の私はもう、やめたい気持など欠片もなく、未来を目指して明るく答えた。
「うんっ!」
フィーリング * 4 *
またまたこんにちは^^
書きましたよ!出来ましたよ><
フィーリング最終話ですよ(>□<*)
たったの3日間で一つの話を書き終えることが出来ました!
ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。。
短い話でしたが、書き終えることに達成感を感じています(*・ω・)ノ
この話以外にも終わっていない小説がありますが、そちらの方は時間がかかりそうなので、気分転換に書かせていただいたお話でした。
読んでくださって本当にありがとうございました(≧□≦。ノ
コメント2
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見込みなどは皆無 胃...「過負荷」の歌詞です。
川柳五七
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ご意見・ご感想
しるる
ご意見・ご感想
完結おめでと
書き終わった達成感は、大事だからそれを忘れずに次につなげよw
これがありあちゃんの大きな第一歩だよ!w
私も自分の終わらせなきゃな~ww
2012/10/09 23:26:41
亜梨亜
最後まで読んでくれてありがとう><
そうだと信じてこれからも頑張る!
…トライアングルかかねばww
2012/10/10 17:06:26
姉音香凛
ご意見・ご感想
完結おめでとー!
え、ちょ、完結までのペースはやくね?あたしなんて途中でペース落ちるし...orz
今回も安定の読みやすさですね!うらやましい!
鏡音さんはどうしても2828してしまう...←
仲直り出来てよかったねー!泣き顔mgmg((
自分も連載の続き書くかー!
2012/10/06 11:55:45
亜梨亜
ありがとうございます_(._.)_
私も他のはすぐにペース落ちちゃうから、一つくらい早めに終わらせたいなー、
と思ってねw頑張って書いたわけですよww
まぁ読んでくださったのはかおりんだけなのだけど…、
一人でも読んでくださる方がいて幸せです。・゜・(つД`)・゜・。
これからもお互いがんばろー><
2012/10/07 21:31:03