木々がざわめいている。
「ふぅ。」
年の端16ぐらいだろう、青年が切り株に腰かけている。
「どうかいたしましたか?」
白い着物をまとう長身、長髪の男が話しかける。
「玄不か、いや、なんともない。少し疲れただけだ」
「小角様。いくら修業とはいえ、やりすぎはお体に・・・」
「はは、少しくらい無茶するこその修行だろう? 大丈夫だ」
玄不(げんふ)は安心しきらない顔だが、一歩下がった。
「ならよろしいのですが」
「そうそう、玄不は心配し過ぎだよ!」
声の主は木の上だ。
「・・・昜次は無神経すぎじゃ」
玄不は呆れるように溜息をつき、昜次(ようじ)を見上げた。
小熊の顔皮を深くかぶり、扇子をあおいでいる。
「ははは、僕なら平気だよ? さ、そろそろ寺へ戻るよ」
小角(おづの)はすっと立ち上がり、右手の人さし指と中指をくっつけ、目を閉じる。
小角の横を風が通り過ぎたかと思うと、その右手に人型の紙が二枚あった。
その紙を懐へ入れ、山を下りて行った。
小角の座っていた切り株に一輪の白い花が咲いていた。
それは前からあったものか、「今」咲いたのか・・・。
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修行というか迷子というかという状態ですが、
文章力が上がるように、とりあえず数を積もうかなと思っています(笑
参考にさせていただきます^^
2009/10/01 01:51:10
ヘルケロ
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修行は大切ですよ!
いろいろ試してみるものです。
私も最近はいろいろな種類の小説を書いてます
2009/09/30 06:13:42