たった一粒の希望の雫が“ぽつり”と小さな音を立てて、この指先から零れ落ちた。
もし、私がほんの少しだけでも早くこの手を握り締めて、希望を捕まえていたら零れなかったかもしれないのに。
ぽつりと落ちた先に待っていたのは、絶望の白い花。少し棘になっている悲しい柊花。
もし、私が一人だったらこの花を笑ってみていられたのかもしれない。もし、この希望を落としてしまったのが私じゃなかったら……この花を見てこんな気持ちにならないで済んだかもしれない。
なんて、たらればの話で、どんな理由を作ってもくだらないで一蹴されてしまう。
“絶望”の中に落ちた希望を拾いにいきたい。たとえ、残された一人になっても。
ねぇ、貴方はこの声を聞いていますか?
ねぇ、貴方は私を知っていますか?
もし、私が一人で……希望を拾いにいったら、その希望が咲いた場所をよく見れる場所に行くよ。
いつか、この希望を拾いに行って魅せるから。
「さよなら」
たった一言の絶望の言葉をこの花に添える。
絶望の花が枯れ、朽ちるときに希望の花が咲くことを願って。
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