夜が明ける前に
この窓を埋めたい
落ちる時雨　編んだ
薄氷を踏む　白い素足(あし)

慣れた部屋のなか　何かを悼みながら
鬱積は透明な　傷あとから溢れた
あなたと私が流す涙の星が
願いを同じと言い切れるなら

嘯いて　甘く　はげしく
月果てる最愛は「あなたがいとしい」
届いてる　深い　奥へと
私だけをみて、なんて、いわない

夜が降りる前に
この部屋を埋めたい
揺らぐ帳　ねじれた
静寂に帰る　青い影

濡れた布のなか　汚濁を呑(ふく)んだあと
さよならの挨拶はお礼の前か迷うわ
いつもの逡巡　そっと口づけてほしい
誰かみたいに抱きしめて　いって

愛してる　までは求めない
突き抜ける衝動は　明確な疾患
あらがえず　暗い　底へと
堕ちながら数える、夢、まぼろし

嘯いて　甘く　はげしく
尽き果てる最愛は「あなたがいとしい」
届いてる　深い　奥へと
私だけをみて、なんて、いわない