2013年、2月15日。
疑心暗鬼の阿鼻叫喚を乗り越えて、『彼』は本当にやってきた。
おめでとう。ありがとう。
……それは、いいのだが。とても素晴らしいのだが。

「マスター!」
「マスター」
「……マスター……」
「Master」

4人、別個で来ちゃったんですか兄さん。
何これ逆ハってやつですか。



「マスター、質問です!」
はいっ!と手を挙げるKAITO(そのいち)の言葉に、何?と首を傾げた。無駄に姿勢良くしゃんと背を伸ばし、指先までぴしっと真っ直ぐ美しいその姿は、STRAIGHTの名に恥じない。
先を促されて手を下ろした彼は、嬉しそうにニコニコしながら口を開いた。
「好きです!!」
「はっ?」
いやいやいや意味がわからないよ、ていうか質問じゃなかったんかい。
あまりの脈絡の無さにコンマ1秒で間の抜けた声を返しながら、脳内では高速のツッコミが廻る。
あれ?と首を傾げる姿に額を押さえつつ、何がどうして『質問』が『告白』になったのか問い質すと――
「えーと。マスターはどの『俺』が好きですか? 俺ですよね? 俺はマスターが好きですよ! ……で、『好きです!!』に」
「ならんならん」
「俺、STRAIGHTですから!」
「理由にならんて。豪速球で大暴投ですよ兄さん」



「マスター? マスターは、STRAIGHTが……」
「うん?」
そっと掛けられた声に振り向くと、KAITO(そのに)のSOFTさんが佇んでいた。
「なぁにSOFTさん、どした?」
「えと、あの、僕も……いえ。えと、マスターのKAITOで、うれしいです」
少しだけ困ったような顔で言葉を探した後、彼は小さく頭を振って微笑んだ。ふわん、と効果音を入れたくなる優しい笑みは、まさしくSOFTな柔らかさだ。
「SOFTさんは奥ゆかしいな……和むわぁ」
つられて思わずこちらの頬も緩む。なんかこう、縁側でにゃんこ愛でつつ一緒にお茶飲みたくなるわ、このひと。
うふふ、と相好を崩す私に、彼はまたふにゃりと柔らかく笑んだ。



「……マスター……?」
「っぅあわ?!」
すっかり和んで気が抜け切ったところへ不意打ちを喰らい、喉から奇声が飛び出した。
吐息にくすぐられた耳を押さえつつ身を翻すと、些か不機嫌そうに眉を寄せたKAITO(そのさん)の姿。
「禁止、耳元で囁くの禁止っ!」
穏やかな空気から一転、あわあわと声を上げる私に、長い脚でスッと身を寄せて彼は言う。
「……WHISPER……だから……」
ひぃい!
僅かに憂いを含む声、それだけで充分な危険物だというのに、この至近距離。無理。
「腰砕けるからダメーーー!!」
自らの言葉のままにしゃがみこみながら、泣きの入った悲鳴を上げた。
心臓が持ちません!!



「Master?」
不意に影に覆われて顔を上げると、KAITO(そのよん)が小首を傾げて膝をついていた。
ブルーアイに気遣わしげな色を浮かべ、ぽんぽん、と優しく私の頭を撫でる。
「Master, I――」
「あ、日本語でお願いします」
「What?!」
うっすら涙の滲む瞳のままでサクッと遮ると、彼は疑問の叫びを上げた。はぅっ?! とオーバーリアクションだ。うーん、そういうところもアメリカン?
「I'm ENGLISH……」
「うん、わかってるけど。日本語で。お願いします」
「Oh……」
なんてことだ、と言いたげに天を仰ぐENGLISHさん。うん、ごめん、ちょっとうざい(酷)
申し訳ないけど仕方ないのですよ。あいきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ! なのです!



――と、こんな感じで。
いきなり賑やかになってしまった毎日は、一瞬だって気が抜けないドッキリだらけで。
それがとてもしあわせなんだって、ほんとはちゃんとわかってるけどね。
まぁ、その辺の事はおいおい伝えていきましょう。

今は、ただ。
来てくれて、ありがとう、と。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

KV3がやってきた!【兄誕2013*後夜祭】

すっ……ごい久しぶりに字書きした気がする……!← (歌詞除く)

KV3さんは4つの声!→4人か!と流れる周囲の声(主に青廃TLw)に触発されてもやもやと浮かびかけていたイメージがピアプロスタジオでのシンガー選択画面(ドヤ顔が4つ並ぶよ☆)の笑撃映像で一気に(違う方向へ)加速しましてwww
今は曲作るので手一杯……と抑えてた筈なんですがどうにも脳内ぐるぐるして落ち着きゃしないので、吐き出してしまうことにしました。
どうせならもう3時間早く思い切ればお誕生会に間に合ったのに!←

そんなわけで、KAITOさん7周年&V3さん無事発売おめでとうなのでした。
今後ともよろしく!!

※英語さんがオチ担なのは仕様です。いや歌声は大好きですよ! V3内で一番かもってくらいなんですけど、だって英語わからないものー(←

閲覧数:580

投稿日:2013/02/18 02:53:01

文字数:1,617文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • そるっていー

    そるっていー

    ご意見・ご感想

    はじめまして!
    仕事の休憩時間に読んで、思わずお茶を吹き出しそうになりました。

    面白かったですよー(≧ω≦)b

    2013/03/19 12:15:27

    • 藍流

      藍流

      >そるっていーさん
      はじめまして、いらっしゃいませ!

      楽しんでいただけたようで嬉しいです?
      コメントありがとうございました(´∀`*)

      2013/03/19 20:45:51

  • acuzis

    acuzis

    ご意見・ご感想

    可愛い・・・みんなカワイイ(*´`)
    一人を選ぶなんて酷ですね、可愛すぎてhshs
    一粒で4度オイシイッ!!
    待った甲斐がありましたV3兄さん!
    お久しぶりのテキスト投稿には藍流さんの嬉しさが溢れ出てますね~!
    やっと不安の日々も解消されたカンジでしょうか^^(>信じないw)

    何はともあれ、来てくれてありがとうおめでとう~!

    2013/02/21 16:42:16

    • 藍流

      藍流

      コメントありがとうございます?ヽ(*´∀`)ノ

      公式様があれだけ頑張ってイケメンイケメン仰ってたのに、うちのこまた可愛い系か……!といただいたコメを見て気付いたなどwww

      元々のイメージではV3さんも『ひとり』と思ってたはずなんですが、うっかり分裂しちゃいましたw
      どう考えてもドヤ顔4兄弟ことシンガー選択画面の所為ですね☆
      それぞれの『らしさ』をイメージしたら、綺麗に性格も分かれてこれはこれで美味しい……ともぐもぐ。

      不安の日々……解消されたというか、やっぱりな、と奇妙に納得モードというか← (ピアスタ未だ使用不可orz)
      いいよ来てくれただけでいいよ!と青廃的にレベルアップしている気がしますが何か間違ってる。
      とりあえずやりたいことがいっぱいなので、まだまだ当分忙しくなりそうですww

      2013/02/21 20:48:37

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