金色の刻(とき)の円環のさいはてで
その淵には水が満たされていた。
刹那は永遠へとすり替わって
世界の始まりはきっと、
ふとしたことだった。
ふくよかな彩(いろ)と香りの中で
黒土と露にまみれて
月光と星影に照らされて眠るあなたの、
その寝顔、見つめて
愛しきあなたがあるように祈りましょう。
千年も万年もその命が続くように。
玉(ぎょく)の花々が咲き乱れて
束の間刻(とき)が止まる、刹那の永遠。
蒼い星の海の吹き溜まりは
今、歌に満ちている
あなたの寝息が髪を揺らして、
触れた指は地面に根を張った
静寂(しじま)の中で眠る私の
胸からは一本の芽が吹いた
愛しき世があるように祈りましょう。
千も万も続くよう。
億光年のかなたの星の海で
花に還りゆく二人は、夢の中で
明日世界が終わるとするならば、
そこにはより良い未来があるように。
明日目が覚めれば、忘れてしまうのでしょう
それでもこの瞬間があったことだけは永遠
愛しきもののために、祈りましょう
星雲(ほしぐも)の彼方、久遠の淵で
開いたこの花を何と名付けるのでしょう
いつかこの身が滅びたとしても
この胸に咲く花は永遠に枯れない
だから、
おやすみ――――
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