夜に溶け込み空駆けるは、
鴉か、はたまた。
てらてらと羽濡らし、
ふわり、羽ばたく。
小指絡めて戦場へと
赴く鴉は、
巣に帰る望みだけ
抱き、羽ばたく。

忘れられぬ
その小さな掌
忘れられぬ
腕の中の温もり

冷えきっていく
友の懐突き、
今宵、食った鴉は、
ただ、生き残る。
仕方がないと
無様にへらり笑い、
己の醜さに
目を背けている。



夜の底へと墜ちていくは、
鴉か、はたまた。
ぬらぬらと羽濡らし、
ふらり、羽ばたく。
小指眺めて戦場へと
赴く鴉は、
巣に帰る望みすら
放し、羽ばたく。

忘れてくれ
赤く染まる掌
忘れてくれ
お前を抱く温もり

娘を待たす
敵の胸を抉り、
今宵、舞った鴉は、
ただ、鳴き叫ぶ。
こんな姿で
無様にゆらり立って、
己の穢さに
目を背けている。



さらば、行こうか。
嗄れた声で囀り。
さらば、行こうか。
折れた翼を広げ。

今、羽ばたこう。
夜の風になって
今宵、乙女鴉は、
儚げに飛ぶ。
煌く刃、
舞い散った羽に、
今宵、乙女鴉は、
嗚呼、夢の中へ。


(ひらがな)

よるにとけこみそらかけるは、
からすか、はたまた。
てらてらとはねぬらし、
ふわり、はばたく。
こゆびからめてせんじょうへと
おもむくからすは、
すにかえるのぞみだけ
いだき、はばたく。

わすれられぬ
そのちいさなてのひら
わすれられぬ
うでのなかのぬくもり

ひえきっていく
とものふところつつき、
こよい、くったからすは、
ただ、いきのこる。
しかたがないと
ぶざまにへらりわらい、
おのれのみにくさに
めをそむけている。



よるのそこへとおちていくは、
からすか、はたまた。
ぬらぬらとはねぬらし、
ふらり、はばたく。
こゆびながめてせんじょうへと
おもむくからすは、
すにかえるのぞみすら
はなし、はばたく。

わすれてくれ
あかくそまるてのひら
わすれてくれ
おまえをだくぬくもり

むすめをまたす
てきのむねをえぐり、
こよい、まったからすは、
ただ、なきさけぶ。
こんなすがたで
ぶざまにゆらりたって、
おのれのきたなさに
めをそむけている。



さらば、いこうか。
かれたこえでさえずり。
さらば、いこうか。
おれたつばさをひろげ。

いま、はばたこう。
よるのかぜになって
こよい、おとめからすは、
はかなげにとぶ。
きらめくやいば、
まいちったはねに、
こよい、おとめからすは、
ああ、ゆめのなかへ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

乙女鴉

http://piapro.jp/t/4Ngs
こちらに歌詞をつけさせていただきました。
妹を待たせる女の子のはなしです。
歴史では戦国が一番苦手だったわたくしです。

採用して頂きましたうわばばばばうれしい

閲覧数:703

投稿日:2013/05/11 01:11:48

文字数:1,049文字

カテゴリ:歌詞

  • コメント1

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  • 仁01

    仁01

    使わせてもらいました

    返事遅くなりすいません。

    応募していただいた歌詞、乙女鴉についてですが、こちらを採用させていただきます。
    かなり他の作品と検討した時に迷いました。

    本当にありがとうございます<(_ _)>

    曲が完成しましたらまた連絡します。

    2013/05/14 20:08:46

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