*これは「血の戦慄、焔の黎明」という歌詞の世界観を書いたものです。
悪逆非道の帝王が支配する世界。その救世主となるため異世界より召喚された少年。
しかし彼は魔法が主たる世界で一切魔力を待たないという致命的欠点があった。
それ故、彼は「使い物にならない」などと一方的で理不尽な罵声を浴びせられる。
知り合いのいない世界で完全に孤立した少年の傍らに、唯一寄り添う者がいた。
それは、少年を召喚した紅い髪の魔導師。
「悪いのは自分の方だ」と言う魔導師に、少年は少しずつ心を開いてゆく。
しかし、やがて少年は真の救世主を召喚するまでの時間を稼ぐ囮となることを強要される。
手渡されたのは、この世界では触媒としてしか役に立たないとされる銀色の剣。
少年の身を案じた魔導師は剣に呪(まじな)いを、血のように紅い石に守護の祈りを込めて贈った。
「このままで、死にたくない…――」
孤独に狂いそうな心を制して、少年はその瞳に焔を灯す。
少年は自分が生きるために、刺客として自分を襲ってくる者の命を奪うことを覚悟した。
そうして、鬼神がごとく剣を振るい、多くの血と穢れ、罪を小さな身に背負う。
その様を見て、少年の旅の供につけられた者達は恐れながらも敬うようになる。
そうなって初めて、彼等は少年がまだ幼いのだということに気づく。
まるで今までの仕打ちを償うかのように、彼等は全ての力を懸けて少年を守ろうと決めた。
少年がそう広くない世界を巡り、帰り着こうという頃。
ようやく召喚された真の救世主を先頭として悪の帝王との戦いが始まった。
善戦するも、やがて邪悪で巨大な帝王の力に救世主も紅い魔導師も押されてゆく。
多くの者が、もうこれまでと諦めた時、
少数の援護魔法と共に、小さな影が戦場の真中へと躍り出た。
多数の魔法をかわし、一直線に帝王へと向かっていく。
帝王の力で片腕をもがれ、胸を貫かれても止まることなく。
その手に握られた白銀の剣は帝王の首を刎ね飛ばした。
血の海に倒れる少年を、魔導師は抱き起こす。
少年は「護れてよかった」と花のように笑って、逝った。
魔導師の腕に抱かれ、旅の供であった者達に看取られて。
人々の多くは、永く救世主のことを語り継ぐだろう。
けれど、紅い魔導師と数人の者はこう謳い続ける。
「真の勇者は、白銀の剣をその手に握った少年であった」と…――
これは、悲しき運命を背負った少年の物語…―――。
「血の戦慄、焔の黎明」世界観
歌詞の方はこちら↓
http://piapro.jp/content/1z64ku4z1h3wreaj
「世界観」と言うより物語のあらすじ、ですが…。
とりあえず、「血の戦慄、焔の黎明」はこんな話が基となった歌詞です。
実はタイトルもそのまま。未発表なので問題無いですし。
歌詞の方にも書きましたが、
主人公は15歳くらいのカイト、魔導師を大人しいアカイトで想像するとよいかもしれません。
何故、魔導師がアカイトなのかというと、もとから男の設定だったから。
別にメイコなイメージにしなくても問題無いと思いますし。
それなら、もとのイメージを大切にしたいなぁ、と思ったので。
蛇足ですが。
人によっては「…BL?」とか思う方がいらっしゃるかもしれませんが。
作者自身は「存在を許される場所」「心安らげる場所」というのを考えて書いていますので。
別にそんなんじゃないですよー、と主張しておきます。
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