肌色のザラつきと口元に纏わり付く鉄味の赤色。
軋む音が鳴り響くグロテスクで下品な熱を孕んだ部屋。
覆いかぶさる影が動いて色は更に熱を帯びていく。
軋む音が早くなる。
「今日」が次第に意味も無く死んでいく。
怪物は僕だった。
「教えてよ、ねぇ、先生」
「赦して」と叫んで、伸ばした手は虚しく空を切る。
怪物に成り果てた僕を赦してくれ。
「笑えよ黒幕、君の所為だ」
『正しく生きる事の難しさ』と『死んでしまう事の楽さ』に気が付くんだ。
「口を開けて、今すぐに」お手頃な安心と安寧を手に入れるんだ。
「殺したくなる」
脳が次第に意味を成せず腐り果てていく。
息ができなくなる。
「今日限り」の約束に酔ってる。
首筋に歯を立てた。
「救いは無いんだ」と謳って、それでも縋って。
祈る声は虚しく宙に消える。
視線を逸らさないで、深く息を吸って。
押し殺した声ごと貫いた。
「愛してる」の言葉も、繋いだこの手も、
それらでさえ毒の味がして。
無理矢理にキスをして上書きをするんだ。
解毒剤は「君」の味がした。
「繰り返したって、僕は怪物で。
君は笑って息を止めるんだ。」
『赦して』と叫ぶ、夜が鳴いた
「怪物に成り果てた僕を抱き締め殺して。」
「教えてよ、ねぇ、先生
結末がコレだ、終わるにしては滑稽過ぎるだろう?」
喰らい尽くしたソレを慰める様に、輪郭をそっと指でなぞった。
赦してはくれないか、怪物になった僕を、どうか、君よ、抱きしめて。
「愛してる」の代わりに口付けをしたんだ。
悲しい程「君」の味がした。
「笑えよ黒幕、君の所為だ」
ツァラトゥストラはかく語りき
久々に聴いたら歌詞がびっくりするくらいエモかったんで歌詞だけ置きます。
UTAUコンピレーションアルバム『下克上 vol.2』tr.6
https://nico.ms/sm34285453
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