既設の奇跡筋書き通り
持て囃された無難な契り
拘りを持つ悪魔の笑顔
誘う路は　堕落の絵画

釘を刺されて敷かれた人生（レール)
犬釘の様に縛り付けられ
不義を裁いて踏まれた尻尾（テール)
犬小屋の様に縛り付けてる

やれ指して刺して差して挿して
逃げろや逃げろ抑えられるな
やれ足で裂いて掻いて駆けて
逃げろや逃げろ捕まりゃ往ぬぞ

七難八苦一難去って
執拗《しつこ》く來《きたる》一難の影
七転八倒止まらぬ罵倒
渋とく生きる病の破牢

躰《み》に打ち付ける躰に突き刺さる
釘の鋒《きっさき》　染めては輝る
紅の海

歪な軌跡路地裏通り
玩ばれて不埒な踊り
断りを待つ白馬の願い
苛立つ姿堕楽の絵画

やれ足して引いて割って掛けて
攻めろや責めろ拵えられるな
やれ媚びて乞いて立って懸けて
決めろや決めろ逃すな狗を

醜い体躯蝕まれてる
隙穴《げきけつ》の躰を奔らせながら
釘に討たれた骸《むくろ》は棄てて
撃鉄起こし放つは餓狼

躰を突き抜ける躰に突き当たる
釘の鋒　初《そ》めては満す
紅の海

一人檻の中で震え
躯丸め光を閉ざす
生きる術を求め媚びて
淡い期待藁に縋る

七難八苦一難去って
執拗く來一難の影
七転八倒止まらぬ罵倒
渋とく生きる病の破牢

戸を打ち鳴らし　個は繰り返す
苦行を分かち笑みは綻び
去る釘遊び