水面 舞台に ひとり神楽
扇の移り香、弧を描いて
爪先から波が 生まれ 消え
摘まれた沈丁花は流れやる
雲の隙間に、細い通い路
彼方(かなた)に続いているのでしょうか
「ああ、ほんの一時だけでも──」
疾風に舞姫の唄を乗せ
遠く遠くまで駆けてゆけ
弦月(ゆみはり)に交わした約束は
ぽろり、ぽろり、頬を伝う──
紫の菊花 手折っては
浮かべ、水鉢を飾りましょう
失くした影に指をのばす
其れは陽炎、只の陰だと……
果てぬ定めのこの恋心
彼方(あなた)に続いているのでしょうか
「ああ、いっそ夢ならば──!」
梟の翼に唄を乗せ
遠く遠くまで飛んでゆけ
岩に背を預けて声もなく
ぽろり、ぽろり、頬を伝う──
疾風に舞姫の唄を乗せ
遠く遠くまで駆けてゆけ
君こそ私の まほろばでした
はらり、はらり、言葉も散って
梟の翼に唄を乗せ
遠く遠くまで飛んでゆけ
君こそ私の こころでした
ひらり、ひらり、想いは散って
あなたのもとに唄よとどけ
高く高くまで飛んでゆけ
紅く口づけた鈴蘭は
ぽろり、ぽろり、滲んでいます──
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【KAITO】 遠つ君へ
五百さんの歌詞「遠つ君へ」に曲をつけさせていただきました。
<a href="http://piapro.jp/t/ZI_6">遠つ君へ</a>
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