『いづくよりかはじまる 長き春日の
証のごとき燃えて 散るも惜しまず』
それが君の願いと 分かっていても
共鳴する痛みに 泣きたくなった
いつかは 花開いて
紅 染まるでしょう
たとえ蒼くても 咲くと 咲いてみせると
誓う君のその 声が 忘れられない
『真幸(まさき)くあらば この枝(え)また 還り見む』
あの日君が 結んだ 松の緑は
褪せることなく今も 焼き付いている
潮風にこごえても 去りがたかった
情(こころ)が 解けないまま
紅 染まっても
たとえ蒼くても 咲くと 天翔(あまがげ)た日の
空も海も君も ああ すべてが遠い
ありつつも君を待たむ
天(あめ)のしぐれの
流らふ見れば ああ
うらさぶる情(こころ) さまねし
ひさかたの 君が白く朧(おぼろ)に霞み
消えてしまいそうで
たとえ蒼くても 咲くと 咲いてみせると
誓う君のその声が 忘れられない
情(こころ)が解けないままに 春は訪れ
嘆けども ああ嘆けども 君は還らず
蒼き咲き人
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