彼女は何時も 籠の中で過ごし
籠を壊し彼女を 外の世界へと旅立たせる
それが僕の役目と信じて

1、
初めて出会った日の彼女 惨めな接ぎだらけの服
怯えて僕を見る瞳 何処か震えていたんだ
時が経ち 彼女はこの国の女王になった
彼女は言った「魔女狩りを執り行う」と
屍の山 民の消えた山村
黄燐の火は罪無き者を焼き尽くし 憎悪を滾らせていく
例え彼女を民が恨もうと 僕が彼女の盾となる

彼女は何時も 籠の中で過ごし
籠を壊し彼女を 外の世界へと旅立たせる
それが僕の役目と信じて

2、
民の消えた町や村 日に日に増えて地図から消え
彼女の治めるこの国は いつしか民無き国となり
滅び行く 彼女の築いたこの楽園が
彼女は言った 「それでも私に従うか?」
頷く僕 彼女に跪き
異国の民は哀れな騎士よと嘲り笑い 哀れみの篭った目で見つめ続ける
例え異国の民が彼女を蔑もうと 僕が彼女の盾となる

彼女は何時も 籠の中で過ごし
籠を壊し彼女を 外の世界へと旅立たせる
籠にはもう罅(ひび)が入った

3、
ある日国へと来た軍勢が 彼女を魔女と蔑んだ
彼女を魔女と称すれば 火刑に処すと言い出して
黄燐の火 城を包み込み焼き尽くす
彼女を護る 最早忠誠を遥かに超えた感情
一人で護り 血に染まる鎧
幾人もの魔女を葬った我が身は最早 最悪の魔女の盾と堕ちたと軍勢は言う
力の限界が足音を潜めて近付き 意識は闇へと誘われる

黄燐の火に 燃ゆる民無き国
女王は凛として 最期まで城と騎士に寄り添った
毅然とした態度は軍勢を驚かせた

4、
貴殿は知っているだろうか 民無き国に君臨した
『魔女』と呼ばれた女王と 彼女を護り抜いた騎士
何も無く ただ白く塗りつぶされた世界
一人立ち尽くし 真っ赤に染まる双眸から雫が落ちる
あれは自嘲か それとも失恋か
彼女を護りきれなかった事に対する怒りか もう一度だけでいい彼女の微笑が見たい
例え数百年もの時が魔女と伝えようと それなら僕も魔女の騎士
また次の人生が送れるのならば嗚呼 彼女に言えなかった言葉を言おう

彼女は何時も 籠の中で過ごし
籠は壊れ彼女は 外の世界へと旅立った
さよなら初恋の人よ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

The Knight of Queen【タイトル仮】

落葉様の曲の騎士視点。
花言葉シリーズに繋げられるように、「また次の人生が送れるのなら」という所を追加しておきました。
タイトルは仮なので、合わせて色々と変更することもおkです。

閲覧数:200

投稿日:2010/12/11 09:32:36

文字数:922文字

カテゴリ:歌詞

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  • (D.M.)チャーミー

    (D.M.)チャーミー

    ご意見・ご感想

    「悪ノ娘」に似ているような気がするのは気のせいでしょうか?

    2011/01/24 01:50:49

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