「52ヘルツの鯨」


心の海のほとんどが
涙に変わってしまったから
降り注ぐ雨を気にも留めず
一人佇み、海を見ていた

泣き疲れた、熱い頬
まだ冷たい夜風が熱を逃がす
遠くで聞こえる波の音
どこか他人事で、心地よかった

境界線を溶かし合う
果てなき広大な青の向こうに
鯨(きみ)の亡霊を垣間見た
世界で最も孤独な君の
言葉は誰にも届かない

雨降りやまぬ心模様
抱えきれない想いの数を
海にそっと逃がしてゆく
かつての君がそうしたように

境界線を溶かし合う
果てなき広大な青の向こうで
鯨(きみ)の声を確かに聴いた
言葉は誰にも届かないのに
君は一人でないている

ふと優しい音色が心に響く
誰にも届かないその声は
ああ、そうか、そうなんだね
誰よりも孤独を知る君は
誰よりも優しさを知っているんだ

永く暗い梅雨も明ける
時が経てば許されるのだろうか
君の抱える悲しみを
背負いきれずに逃がすこと

境界線を溶かし合う
果てなき広大な青の向こうに
鯨(きみ)の亡霊を垣間見た
世界で最も孤独な君の
音色は心に響く詩(うた)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

52ヘルツの鯨

ボカデュオ2024
Team はんなりわんにゃんの詩参加曲

作詞:鯖 https://x.com/sabaumako
(ご本人からの許諾の元、代理で投稿しています)

無断転載、自作発言厳禁

閲覧数:17

投稿日:2024/08/16 23:21:20

文字数:465文字

カテゴリ:歌詞

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