私の人生を奪わないで












『今朝、都内のゴミ置き場の近くから東京都在住の(２６)の神威がくぽさんだと思われる死体が発見されました。』

その一言は私に衝撃を走らせた。
がくぽ君が殺された・・・？
私は手に持っていたトーストを落とした。

ははははついにテレビ壊れたのかな？
もう古いしね。
でもどのチャンネルでも、やっている内容は一緒だった。

が・・・がく・・く・・ぽ君？

急いで携帯から電話をする。
でも何回かけてもつながらなかった。




頬を涙がつたう。
嘘だ嘘だ嘘だ！！！だれか嘘だと言って！！！！！
でも誰もたすけてくれやしない。
皆して私を責める。
どうして！？どうして！？

昨日だって一緒に喋って公園まで散歩して・・・・！！
まだ温かかった！
あのがくぽ君は！！

誰なの！？がくぽ君を殺したのは誰・・・・・・・・・！！！！！
憎いという気持ちと同時に恐ろしいという気持ちも生まれる。

じゃあどうするの！？
私たちの結婚式はどうなるの？
そう・・・・・・





私はがくぽ君と婚約をしていた。





ちょうど一週間先に。





もう私は混乱して狂い始めた。
そこらにあるもの全部を破壊し、布団にくるまった。
荒い息。
こんなの私じゃないとわかっていながらも私の心は静まってくれない。
ああ・・・・。もうこの先はなにもかも終わりだ。


がくぽ君がいないと私の生きている意味はないのだ。


もう死のう。
彼がいない人生など、なにもない無意味なものだ。
構想ビルの上に立ったのはいいが、やはり怖い。
私にはそんな勇気を持ち合わせていない。
こんないくじなしだ。どうせ私は。




ピンポーン




「はい」

「警察の者ですが」


きたか


大体日本の警察は優秀すぎるのだ。

「失礼します、すこしお時間いいですか？」

その人は女だった。
男だとおもっていたが予想外だ。

しかもすごく目鼻立ちがはっきりしていて美人だ。
そしてなんといっても桃色の髪。
女の私でもみとれてしまう。

「どうぞ」



「咲音さんは神威さんの婚約者だとか。」

「はいそうですが。」

「そうですか・・・。この事件についてはいつおききに？」

「ついさっきです。テレビをみて・・・。」

不覚にも泣いてしまった。
涙がこぼれる。

「大丈夫です、このことは絶対に私が解決してみせます。」

「あなたは・・・警察ではないのですか？」

「ごめんなさい、実は・・・。」




「探偵です。」



「え・・・・。」

「いきなり探偵がきても驚かれるかとおもって・・・」

「警察でも同じですよ・・・・。」

「ごめんなさい・・。」

「それは・・・・だれが依頼したのですか？」

「いえ、誰も。」

「は？ではどうして？」

「この事件は・・・なにか裏があると思ったからです」

「・・・。」

「では今日はこの辺で。」




そういってさっさとでていってしまった。


「この事件は・・・なにか裏があると思ったからです」


私も・・・さっきから嫌な予感がする。