静かな回廊に自分の足音が響く。

「確か、ここに居るって聞いたんだけど…。」

パイプオルガンの音が微かに聞こえた気がして、礼拝堂の扉をゆっくり開いた。ステンドグラス越しに木漏れ陽の様に差し込んで光が帯みたいに連なっていた。溜息が出る程綺麗な光景に思わず足が止まる。

「わぁ…!」

上を見上げたまま暫くの間見惚れていると、不意に声がした。

「礼拝時間外の立ち入りは禁止ですよ。」
「わぁっ?!す、すみません!」

振り返って慌てて頭を下げる。もっと怒られるかと思っていたけどそれ以上声は聞こえなかった。顔を上げると声の主は黙ってこちらを見たまま立っていた。透き通る様な銀色の髪と銀色の目、その顔を見て、貰った資料を思い出す。

「あ、あの!福音ハレルさんですか?」
「ええ、そうですが。」
「私、あなたに用があって来たんです!」
「私に?」

慌てて招待状を取り出して渡した。無言で目を通すと私に招待状を付き返した。

「応募した覚えはありません、お引取り下さい。」
「え?でも…!こちらには葉書来てるんです!ほら!」
「私の字ではありません、誰が出したか心当たりが無くも無いですが、お断りします。」

ええええ?!そんなぁ!!此処まで来てお断りしますって!!

「優勝賞金1億円ですよ?!」
「優勝すれば、でしょう?」
「参加賞も出るんです!」
「興味ありませんね。」
「でも…でも…そんな…ドタキャンなんて…困ります!」

どうしよう…でも本人じゃないなら不履行になるんだっけ?えーん!怒られちゃうよぉ…!

「判りました。」
「はい?」
「…私が断ると困るんでしょう?」
「え?え?良いんですか?!」
「構いませんよ。」
「良かったぁ~…。あ!自己紹介!えっと、改めまして、案内人の沖浦香澄と申します。
 コードネームは『門番・ダム』宜しくお願いします!」
「はい。」

この人大丈夫かな…?何か凄くテンポズレてる気もするんだけど…。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-8.クレマチス-

真っ白でフワフワでキラキラで…。

閲覧数:162

投稿日:2010/07/23 10:04:29

文字数:824文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • 遊羅@右肩逝きかけ

    遊羅@右肩逝きかけ

    ご意見・ご感想

    香澄姉は人見知り激しい子です(何

    2010/07/23 19:40:50

  • 遊羅@右肩逝きかけ

    遊羅@右肩逝きかけ

    ご意見・ご感想

    香澄姉……
    あれこんなにテンション高かったっけ…
    まぁ…いいかw 楽しそうだしw

    2010/07/23 19:18:49

    • 安酉鵺

      安酉鵺

      ハレル氏のテンションも低いんですよね…w

      2010/07/23 19:23:00

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