「戻ることができたなら。」
肌寒い秋の風が頬を撫でる。錆びついた公園、夕暮に染まる。
目をとじて思い出すんだ。昨日のことのように蘇る真新しい記憶。
毎日が楽しくて、それだけでよかった。
君と笑い合って、バカしあってさ。
もしもあの頃に戻ることができたなら、
ちゃんと伝えたのに。お願い…戻って。
秋の欠片がひらりと舞い散る夜に、見かけた君と、笑顔のあの子。
目をとじて走るんだ。溢れる涙が、零れてしまう前に、全力で。
毎日が楽しくて、それだけでよかった。
君と笑い合って、バカしあってさ。
もしもあの頃に戻ることができたなら、
「好き」って伝えたのに。お願い…聞いて。
あの頃の君は、私を見ていてくれたのに
あの頃から君は、あの子のことしか見なくなったね
君とあの子が笑いあうたび、胸が締め付けられて、溢れ出す涙をこらえて。
もう忘れよう。君のこと。もう涙を流さないために。
叶うことのない恋はゴミ箱へ捨ててしまおう。
さよなら私の…
毎日が楽しくて、それだけでよかった。
君と笑い合って、バカしあってさ。
もしもあの頃に戻ることができたなら、
ちゃんと伝えるね。
「ありがとう。」
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