指先でガラスに描いた 何気ない落書き
溢れ出す思い出を零さないように
夢中で水滴を拭った
柔らかな光を感じて 鬱陶しく思えた
君の居ない場所じゃどんな季節も
同じ色に見えるんだ
忘れる事なんて出来ないよ
今もまだ側に居るようで
降り止まない 雨音がいつも
君の残像を象った
伝えたかった言葉の数が
虚しさだけを重ねている
記憶の中 目を閉じてみたら
浮かんでくる君の横顔
淡い残像がすり抜けて
雨に濡れた面影
変わりゆく街の風景も 流れゆく時間も
あの日から全てが止まったままで
心は取り残されている
思い出す 雪の降る道を手を重ね歩いた
それだけで寒さも無くなるような
温もりを感じていた
時計の針に足踏みして
俯いて動けなくなった
降り止まない 雨音がいつも
君の残像を象った
ただ会いたくて もう会えなくて
寂しさが胸を締め付けた
君の名前を何回呼んでも
雨の音に掻き消されていく
もう会えなくて まだ会いたくて
声が枯れるまで叫んでも
浮かび上がる 君の笑顔が
僕の 頬を 濡らしていくだけ
淡い残像がすり抜けて
雨に濡れた面影
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