彼誰時(かわたれどき)も
待ちきれないで
選んだのは履き慣れた靴
昨日読んでた
本の続きに
少し後ろ髪引かれてた
扉を開け放ったまま
此処を飛び出してく
背中はなんて力強く
同時に脆く見えた
少年はただ切ないほど真っ直ぐに進んでいくから
その瞳(め)にはあの地平線の輝きを映してた
夜空の星に
手が届かない
そんなことも忘れるくらい
白紙の上に
どんな絵でさえ
描けると信じて疑わず
気づいていた初めから
恐れを知らぬ顔で
握り締めた手はいつだってそう
不安に震えたこと
少年の胸に息づく想いそれは星よりも熱く
あの天(そら)に届かなくとも僕には届いていた
「理不尽」に打ちのめされていくたびに
眼差しが冷めてくのを見ることが悲しい
少年はただ切ないほど真っ直ぐに進んでいくから
その瞳(め)にはあの地平線の輝きを映してた
少年の真っ白な姿に在りし日の僕が重なり合う
この瞳(め)にもあの地平線の輝きが映ってた
少年は還らない
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