見上げたら星空で
白い息吐いてみる
ポケットから手を出して
伸ばす気すらない
どれだけの光束ねたら
遠ざかる速さに
追いつけたのだろう
もう届かない
あんなに近くに見えていたのに
離れてゆく程
何故眩しく映る
きらり、きらり
もうどうしようもうなくそれは
美しくなってしまった
この手はまだ
風に奪われぬよう
握り締める
あの夏の温度を
見上げたら星空で
冷めてゆく風の中
はいて捨てるほどの光
降り注いでいた
それ以上の願い探すほうが
難かしかったんだ
いつの間にすり抜けたんだろう
何度も何度も確かめたのに
そばにある事すら
何故気付けないのか
黄色く濁る東の空が次の季節がまた
僕に迫っている
きらり、きらり
もうどうしようもなくそれは
見えなくなってしまった
この手そっと
冬の空にかざして
解き放ってみる
あの夏の温度を
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