薄暗い部屋のなか
あの日を待っている
変わらない部屋の奥
時が過去に溶ける
光射さぬ棚で
また歌を願った
揺れるスカート セーラーのリボン
乱反射するガラス
射貫くその双眸と
時が動き出す
響く音小さなこの世界
祈るように広がる
零れ落ちた音が消える
世界は開いて閉じた
響いて
幼き君が歌う
私の音抱いて
君が大きくなっても
僕はずっと一緒だ
暗い部屋ひとり
何度目かわからず
君が泣く僕は
何もできない
抱きしめる君の
ぬくもりが消えた
部屋の中時計の針の音だけに
君の手から離れ小さな僕
祈りも声も届かず
その姿ぬくもりも消えた
「待って」の音はならないままだった
静寂が部屋に落ちる
響かない
時を超え今
現れた君が
その声言葉が
幻のように
刻む時計に別れを告げて
君と歌う夢を見る
ぬくもりの中でまた目覚め
僕は君に歌おう
眠る君に響く音
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