薄暗い部屋の隅で独りきり蹲って
嗄れた気鬱な心は硝子に溶けた
指先ひとつで吐き出せる喜怒哀楽に
惑わされた愚かな迷い人
逡巡とした瞳の中映る揮発性の愛は
半透明な残響にやがて呑まれてゆく
最後に鳴らしたコードは錆びついている
応えてほしい今はただこの音に
指先で触れた冷たさすら見失いかけて
答えのない言葉を書き連ねて
信じたいものだけを信じればいい?
右手に滲んでいたほんのひとつまみの焦燥は
目隠し手探りでも慥かに其処で嘲笑っていた
重苦しい空気に溺れそうになって
吐き出す声は何故だか空渇で
好きなことも夢の形状も轍も欠落も
何ひとつ云えぬ儘に沈んでゆく
無駄な運だけは持ち合わすもんだから死ねずにいる
応えてほしい今はただこの音に
僅かに抱えた温もりすら今は愛しくて
答えのない言葉を書き連ねて
信じたいものだけを信じればいい?
虚ろに沈んでゆく見上げた灰色の空
降り注ぐ針はただ素直に痛みを残していく
伸ばした右手すら絆されて掠れかけたこの声
言いたいことはひとつだけ
応えてほしい今はただこの音に
指先で触れた冷たさすら見失いかけて
答えのない言葉を書き連ねて
信じたいものだけを信じていよう
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