身を焦がす憧れも今は遠く、不意に思い出すのは少女の面影、旅立つ彼女は綺麗だった、追いかけるには無力だった、まちがって産まれてきた僕には正しく生きる道はない、誤って生きる勇気もない。尽くされた声が光に換わる。

胃から昇る酸に喉が焼ける、ああ焼ける、使わない喉なんて全て溶かしてくれていいのになにもひとつも破れない、たかが空白に白目を向いて涙する、どのみち生きれやしないのに絶望だけを投与する。

青ざめ引き満ちる寒さにほんの少しに安堵を覚えて床につく、今夜も眠れず月をみる。

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無題6

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投稿日:2022/10/12 02:51:15

文字数:237文字

カテゴリ:小説

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