そして、あの喧嘩から丸一日以上経ってしまった今日。
喧嘩をするまでは毎日のように話していた私とレン。でもあれからは、私達姉弟の会話は、一切なくなってしまった。


昨日のグミとの会話の疑問も残ったままだし…、今日また訊いてみよう。
朝学校に来るのが早いグミに合わせて、今日も早く家を出る私。学校に着いたら、すでにグミが一人、教室にいた。

「おはよう、リン!昨日の話の続き、する?」
あぁ、グミは私が昨日の話の続きをしたいことを分かっていてくれたみたいだ。
いつものような優しい顔で微笑むグミは、私を優しく包み込む、天使のように見えた。

「おはよう!じゃあ、また質問してもいい?」
「どんとこいっ!」


そして私は、昨日の一夜考えてもさっぱりわからなかった、グミの最後の言葉について質問した。
「え、まだ考えてたの!?別に深い意味はなかったんだけど…」
「そうなの?でも、私達はグミになにもしてあげられてない」

そう私が言うと、グミは少し恥ずかしそうに「んー」と言ってから、答えた。

「ただ、きっと皆は、私が何かされている時、『ザマアミロ』とか思ってないでしょ?」
「それは勿論。可哀そうだけど、応援だけはしてるよ」
「それなんだよ!ただ、それだけの気持ちがね、私に伝わってくるの。それだけで頑張れるんだ」
「え…?」

私は茫然とするしかなかった。だって、言葉にも出していない私達の気持ちだけで、今まで乗り越えてきたってこと…?

「だって、私が頑張ってる間に他の皆も、違う練習を頑張ってやってるんだから、ちょっと辛さが違うだけで、気持ちは同じでしょ?」
「そうだけど…」

私がこの言葉の後に「でも…」と続けようとしたら、グミが遮るように言った。
「それでいいんだよ、私は!皆も辛いけど頑張ってるから私も頑張る。それで他の皆がもっと頑張ってくれたら、もっと上手になれる。それだけで辛い練習も頑張れるんだ!」

グミ…。グミは、考え方が、私なんかとは全然違った。そんな前向きな考えも出来るんだ。
なんだかグミの話を聞いていたら、部活から逃げ出そうとしていた私は、最悪だったと分かった。
そして私は、今まで完全には出していなかった本音を言ってみた。

「…私、本当はもう、部活やめたかった」
「…うん」

グミは一瞬悲しそうな顔をしたけれど、止めようとはせず、聞いてくれた。
「でも、考え方が変わった気がする。私、皆と一緒に頑張りたい…!」
「うん…!」

グミの顔はこれ以上ないという位明るくなり、少しだけ瞳に涙が滲んでいた。
少し間を開けてから、グミが言った。


「じゃあ、もう弟さんと仲直り出来るね」
「え!?」

なんで知っているの!?
グミにはレンとの喧嘩のことは話してないはず…。

「『え』って…。わかるよ、そりゃあ。いつもと様子が違いすぎたしね。急に部活関係で質問してきたのも、それと何か関係してるんでしょ?」

良く分からないが、グミには全てお見通しのようだった。
レンと一日以上喧嘩したままだなんて、恥ずかしいから知られたくなかったのに。
諦めたように私が口を開いた。

「私、レンとレンの先輩に、酷いこと言った」
「なんて言ったの?」
「部活によって、活動時間とか違うだけなのに、お姉ちゃん達も、頑張っているのに。バカって…言っちゃった」

と、ここまで言ったら、目頭がジーンと熱くなってきて、涙が溢れそうになってきた。
すると、グミが近くに寄ってきて、私の背中をさすりながら言った。

「そっか…。羨ましいよね、気持ちは分かるよ。でもリンはわかっているじゃん。皆頑張ってるんだよ、それでいいことにしよう?頑張って一緒に上手になろうよ!」

グミの言葉が今まで凍っていた私の心を溶かしていく。

…もう何も、私の口から言葉は出てこなかった。
ただただ、熱くなった瞳から、静かに涙が溢れてくるだけで…。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

フィーリング * 3 *

こんにちは^^

フィーリング3話目です!
…ってあれ?

前回これで終わるとか言った気がした…。。
のに終わらなかったよorz

ごめんなさい。・゜・(つД`)・゜・。
…ということで、できれば今日中に最終話出そうと思います!

頑張っちゃうよ(っ`・∞・)っ

てなわけで、申し訳ありませんが、あともう1話だけお付き合い願います(_ _(--;(_ _(--;

閲覧数:95

投稿日:2012/10/06 11:10:20

文字数:1,618文字

カテゴリ:小説

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    MVPはグミちゃんにあげようww
    最優秀助演女優ですな!←


    こんな優しい子は、私の周りにはいなかったw

    2012/10/09 23:22:51

    • 亜梨亜

      亜梨亜

      読んでくれてありがとう><

      だよね!ありがとう!←
      私の周りにもあんなにも優しい子はいないよw
      人生に一人くらいは出会えると信じている!←

      2012/10/10 17:04:55

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