【竜宮の使いPart2】
 和昆戦争真っ只中、私が迷い子案内所から移動に為って、ニュートリション上で働いていた時の事である。
働くと言っても、実際の内容はストローを砂に突き刺してチュウチュウ吸い、すると栄養分だけ濾されて出て来るので其れを入れ物
に入れて行く。と言う単純な作業だ。
其のニュートリション場で働いていたときの話である。 
「ねえねえ、あんたさあ聞いた?最近竜宮の使いが逃げてるらしいよ」
一緒に働いているおばさんワカメが私に話しかけてきた。仕事中なのにである。全くワカメの民は皆が皆、適当な性格である。大雑把と言うか、気楽と言うか。「へえ、そうなんですか」
「全く竜宮の使いは竜宮の仕事をしないで何を逃げてるんだかワカメの国の政府が竜宮の使いと連絡が取れ無くて困ってよ。」おばさんが言った。「へえそうですか。」私はそう答えるしか無かったので、そう応えた。
「和混戦争が怖くっても逃げてるんだよありゃ。どうせそういう奴等だよ。」
いつの間にか、此の戦争に名前が付いたのか。ワカメの国と昆布の国の戦争で和昆戦争みたいだ。
「でも自分の身を守るって大切だと思いますよ」私はそう言った。
「確かにね」
と、おばさんが応えた所で監視員に注意されて、仕事に戻った。
――今思えば、彼らの行動は正しかった。その後ワカメの国と昆布の国の衝突で大きな揺れが起こる。
昆布の国は「無の魔法」を大量に使って来る。詰まり可也(かなり)危険な状態に成ったのだ。
だから、彼等(かれら)の行動は正しかったと言える。
――
「昆布の国の得意とする魔法は「無の魔法」。有るものを無いとしてしまう魔法だ。
中学生が「無いわあ」とか言うけれど、其れも無の魔法である事があり、魔法の一種である。
和昆戦争で昆布の国が使った「無の魔法」は大規模だった。
勿論其の効果は人間界でも有効だ。
人間の持っている情報、DNA。
此の情報を壊す放射線出す能力を持っている放射能が原子力発電所から大量に漏れてしまった。
放射能も有る意味、「無の魔法」である。」
とか、そんな話をディクッチャーに聞かされた。
この前フランジェリムさんにディクッチャーの電話番号を教わったから、掛けてみたのだ。
しかし分からなかった。意味が良く分からなかった。
ディクッチャーの方が竜宮の使いについて良く知っているかなと思って電話をした私が愚かだったよ。

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ワカメの国 第九章 正し過ぎた人 畑広美の物語

 3.11が起きる前に竜宮の使いと言う深海魚が浅い所に上って来たらしいです。
其れで、科学者は「何かが起きる」と察知した。
此れは実話です。
小説はフィクションですよ。
※小説「ワカメの国」は現在「KODANSHA BOX-AIR新人賞」に応募中。
※Yahoo!版電子書籍「ワカメの国」は此方
URL:http://blogs.yahoo.co.jp/wakamenokuni
です。

閲覧数:78

投稿日:2012/02/14 03:43:28

文字数:998文字

カテゴリ:小説

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