「リーンっ」
街を歩いていたリンをレンが呼び止める。
「何ー?レ・・・きゃっ」
振り返ったリンにレンが抱きついた。
「ちょ、ちょっと、レン!?」
「んー?」
「す、少し離れて・・・。街中だし恥ずかしい・・・」
「えー・・・。じゃ、家帰ったらいい?」
「う、うん」
顔を赤くしたリンの左手をさりげなくレンが握る。
左手からレンの右手の暖かさを感じながら、「離れて」と言った時のレンの寂しそうな顔を思い出す。
「・・・レン」
「何?」
「い、家帰ったら、その・・・・・・ちゅー、してもいい?」
かなり間を開けて呟いた言葉にレンは驚いていたようだ。だが、すぐ笑顔になると言った。
「もちろん!というか、ここでしていい?」
「家で!!」
「えー。あ、リン、クレープ食べよう」
「うん」
お金のこともあったので、2人で1つのクレープを買った。
買うときにレンが、「リンは?」と聞いて、「私はいいの」と断ったが、やはり気になるようだ。
レンが食べるのをじーっと見ていて、レンが「いる?」と聞くと、「あ、ううん」と言って目をそらす。
でもやっぱりじーっと見てくる。
レンは食べるのを止めて、リンを呼んだ。
「リン」
「なーに?」
「はい、あーん」
リンの顔が真っ赤になる。
「え!?」
「リン、ずっと食べたそうにしてるからさ。ほら」
「えと、えっと・・・じゃあ、いただきますっ」
レンが差し出したクレープを、レンの手をとって口に入れた。
頬にクリームをつけて、リンが笑った。
「おいしいね。あ、今のってレンと『間接キス』っていうのしたのかな?」
リンがそう言うと、レンが急いでクレープを一口食べた。
「?」
「・・・これでオレもリンと間接キスしたな」
リンがその言葉を聞くと、照れたように笑った。
「あ、レン、じっとしてて」
「?」
レンがリンの方を向いた瞬間、リンが体を乗り出してレンの頬に付いたクリームをなめた。
「なっ・・・」
「えへへ。レンったらこんなとこにクリームつけて・・・」
そう言って笑うが、リンもほぼ同じところにクリームを付けている。
「・・・リンも少しじっとしてて」
「へ?」
レンは、リンの頬のクリームを指につけてなめた。
「リンも同じようなとこに付けてた」
笑いながら言うと、リンが
「えぇっ!も、もう付いてない?」
と聞いてきた。
「うん。付いてない。っていうか、オレのほうも付いてない?」
「うん。レンの方も大丈夫。さ、食べ終わったし、早く帰ろ」
「あぁ、そうだな」
2人同時に立ち上がり、またどちらからということなく手をつないだ。
前を見るリンがなんとなく嬉しそうで、そんなリンを見ていると、レンの体が勝手に動いた。
レンは、リンの頬にキスをしていた。リンの驚いた顔が近くに見えた。
「ちょ・・・レン!家帰ってからって言ったじゃん!」
「え?そーだっけ?」
「もーっ!」
言葉は怒っていても、表情は嬉しそうだった。
嬉しそうな笑顔のまま、2人は家へと帰って行った。
コメント1
関連動画0
オススメ作品
通り過ぎていく感情に全部名前を付けて愛したいよ
消えかかっていた夢や希望も新たに光を放つように
ミライを ミライを
「ハジメマシテ」 生まれた日から今日で何日目?
昨日の笑顔も今日の涙も明日に繋がる道になるから
あのね 君にもらった言葉は全部覚えてる
初まりの音がほらね響いた
メロディーがきっと僕ら...ミライを
日々乃ねむり
Hello there!! ^-^
I am new to piapro and I would gladly appreciate if you hit the subscribe button on my YouTube channel!
Thank you for supporting me...Introduction
ファントムP
(Aメロ)
また今日も 気持ちウラハラ
帰りに 反省
その顔 前にしたなら
気持ちの逆 くちにしてる
なぜだろう? きみといるとね
素直に なれない
ホントは こんなんじゃない
ありのまんま 見せたいのに
(Bメロ)...「ありのまんまで恋したいッ」
裏方くろ子
小説版 South North Story
プロローグ
それは、表現しがたい感覚だった。
あの時、重く、そして深海よりも凍りついた金属が首筋に触れた記憶を最後に、僕はその記憶を失った。だが、暫くの後に、天空から魂の片割れの姿を見つめている自身の姿に気が付いたのである。彼女は信頼すべき魔術師と共に...小説版 South North Story ①
レイジ
ミ「ふわぁぁ(あくび)。グミちゃ〜ん、おはよぉ……。あれ?グミちゃん?おーいグミちゃん?どこ行ったん……ん?置き手紙?と家の鍵?」
ミクちゃんへ
用事があるから先にミクちゃんの家に行ってます。朝ごはんもこっちで用意してるから、起きたらこっちにきてね。
GUMIより
ミ「用事?ってなんだろ。起こしてく...記憶の歌姫のページ(16歳×16th当日)
漆黒の王子
近付くさよならの音
最初の「のびのび」どこへやら
この旅はもう終わったも同然
まだ居たいなんてそんな妄念
一緒に、一緒に、便利なとこへ
一極に、一極に、集中してく
一方で、一方で、この列車に乗れば
一瞬で、一瞬で、アオハルへ!
でも そんなのもうないの
相生でもう走れない...この列車、次の青春まで。 歌詞
ダ王P(やっくー)&まっは
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想
木下 志希
ご意見・ご感想
ごふっ…パタッ…わが生涯に一片の悔いなし…
むくり。
御馳走様でした!おいしすぎて途中川の向こうでリンレンが手を振ってる幻覚が見えたよ!
2011/02/12 10:49:59
Y兎
お粗末様でした。
こんなもので良かったでしょうか?
やっぱりリンレンはいちゃいちゃしていなければ!!
2011/02/19 09:05:00