今、温もりが消えたその後で
僕らの 願いが全て嘘になってしまうのなら…
君の 「行かないで」がこだまして
全てを 時も 今までさえも 忘れて行く―

「あぁ、またか…」
四角い箱と言う名の病室に,この世に取り残されてしまった。
自分を乗せた揺りかごは、何もかも失くしてひどく無機質だった。
重たくなって、壊して、こぼれて無くなった筈の
愛しさがそれでも残り、あの頃の夢を見せる。

大切なモノを自分で壊したくせに、それでも愛情が残ったなんて笑わせる。
その上、心が壊れて、傷ついた体も残されたなんて。

「屋上でも行こうっと」
何かを打ち消すように、ミクは明るい声を出し、病室をでた。

レンは屋上にいた。何の意味も無く。
ただ、外の空気が吸いたかっただけかも知れない。

ギイと ドアが開いて誰かが来た。
ツインテールの可愛らしい少女、首に包帯を巻き、無機質で全てを失くした。
そんな瞳をしていた。少女はレンに気づくこと無く、通り過ぎた。

じっとレンは少女を見ていた。ただ、何かあるような気がした。
そんな強い勘が、レンの内側にあった。
何か 言っているのは 分かった。だが、何を言っているのか分からなかった。
そんな時、ある言葉がレンの耳を刺した。
それだけは、はっきり聞き取れた。


「どうすれば、良かったの…?」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

僕らの願いと、色の無い世界1【ReAct】

本家の曲とPVが好きで、書きました。
単なる自分の解釈ですが、これもありかなと。

閲覧数:348

投稿日:2012/08/24 15:54:38

文字数:563文字

カテゴリ:小説

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