12 リンの修行とレンのトラウマ その7
そんなことが過去にあり、私はレンを怖がらせないよう気をつけてきた。しかし、今日とうとうやってしまった。
あぁ、もうめんどくさい。でもどうせしばらくしたら元に戻るからいいや。このまま連れて戻ろう。私は、私に怯えるレンを連れて会場に戻った。
「あ、やっと戻ってきたよ。」
「どうしたのー大丈夫?」
「すいません、何でもないです。さっきは大きな声出してすいませんでした。」
私は笑顔で答えた。もう会場にいる人達は私を見て心配はしてないようだ。いや、私を気にすることよりも、みんなレンが気になるらしい。よく考えたらここに連れて来るために自分の腕をレンの首に回して締めるようにしている。
あっと思いすぐレンを開放した。するとレンは檻から逃げる犬のごとくセシルさんの横に走っていき席についた。ガタガタ震えている。
あぁ・・もういいや・・めんどくさい。その内治まるでしょ。
私達が外に出ている間に何人か人が増えたようだ。正直まだ誰が誰なのかわからない。せっかくだから直接一人一人聞いてみようかな。でもやっぱ話しかけづらいな・・。とりあえず料理を食べようまだ何も食べていない。
用意された食事は結構本格的な中華料理に思える。エビチリのエビが大きい。すごい・・こんなの見たことない。食べてみるとおいしい。全然ファミレスのとは違う。
その中でも肉団子が特においしかった。ほどよく甘酢っぱいあんがかかっており、格別のおいしさだった。セシルさんのことや、怯えるレンのことも忘れて私は料理に夢中になっていた。そんな時、一人の男性が私のいるテーブルに向かってきた。
「よう、マサト!てか、女の子だったとはな驚いたぜ。まさかオフ会の時にびびらすために狙ってた?」
誰だろうこの人。同じギルドの人だとは思う。歳は20代前半くらい・・ジャスティスさんかな?私が誰なのか考えていると、その人は私の隣にいたあの親切な人に席を代わってくれと頼んだ。親切な人は快く受け入れ自分のグラスを持って他のテーブルへ移動した。
「俺が誰だかわかる?田中だよ。」
「あ!」
ターナカさんか・・なんだ、なんかやだな・・。もともと嫌いな人じゃなかったがmisakiちゃんの話をしてから好感度が落ちた。
「さっき他の人に聞いたんだよ。お前が女だってさ。びっくりしたよもう、やってくれるよな。」
「はぁ・・なんかすいません・・。」
「どうだい、楽しんでる?周りは変な大人ばっかだからいまいちか?」
「いえ・・そんなことないです。楽しんでます。」
実際はさっきある人の件で泣きました。
「もうみんなと話した?」
「いえ、全然、さっき隣にいた人とだけです。」
「え!そうなの?ならこっち来てみんなと話しなよ。」
「マスターの所のテーブルはお前のよく知ってるやつらばっかだぜ。」
「えぇ、今はそっちはちょっと・・。」
セシルさんという現実をあまり見たくないのと、レンがまだ私に怯えるのでそっちのテーブルには行きたくなかった。
「何今さら遠慮してんだよ。仲間だろー。」
「は、はい・・。」
行かざるおえなくなったので私は移動した。
13 ギルドの仲間 その1へ続く
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