「クオ君・・・!」
私の目の前に居るのは、彼。初音ミクオだった。
彼の誕生は、4年以上前の、此処だった。
それは、亜種達の誕生する前の話。
~回想~

「VOCALOID量産計画?」
いきなり持ちかけられた話。
この話を持ちかけたのはセリー・ミオエイン。
「そうよ、貴方達は優れた機能を持った機械。それを量産するのは当然の事。少なくとも私達はね」
「いえ、私達は一人で十分です」
「そうかしら?私は、貴方達の存在をこの島の外の人達にも知ってほしいものですがね」
「いえ、私達の活動はこの島だけで十分です」
「そう、なら直接製作者に持ちかけるか、私が実力行使で無理矢理やらせる、しかないわね」
「何故、貴方は其処まで私達を量産させたいのですか?」
「それは、決まってるじゃない」
彼女は言った。
「金儲け。よ。世の中金しかないわ」
そう言って彼女は部屋から出て行った。
「何よ!!あの女!!私達は金儲けの道具じゃない!!私達は心を持ってる。感情をもってる!!」
あの人が考える事は、愚かな人の考える事だ。
何が人がやる当然の事だ。
量産させたら、なんだか私の負けみたいになる気がした。

「VOCALOIDを量産?」
私は、あの人を追いかけてきた。
やはり、ミリさんの所に来たか。
「そうです。ミリさん。興味はありませんか?」
「無いね」
「そうですか。なら、これとの交換条件はどうでしょう?」
「交換条件があってもやらないよ」
「そうですか・・・・残念です」
そう言って彼女は広げた書類を直す。
ざまあみろ。そう思ってしまった。
だって、私達をそんな事の為に量産するのは許せない。
そう思ったからだ。
あの人が部屋から出てきた。
私は彼女に見つからないように後を追う。

「あ~!!!!!もう、何よ!あのミクといい製作者といい!」
彼女は、飲み屋で飲んでいる。
恐らく、さっきの事だろう。
「何か、嫌な事でもあったのかい?」
その店のマスターが彼女に問いかける。
「ああ~、マスター酒もういっぱい。あのね、聞いて~」
「いや、さっきからそれを聞いてるんだが」
「あんね~、VOCALOID量産計画っての、今考えてるのよ。そしたら、製作者にもVOCALOIDにも断られたのよ~」
「この島で有名の、初音ミクか?」
「そうなの!」
「そうか、まあ、それは、残念だな」
「慰めてくれないの~!」
「もう、落ち着いてくれ」
「う~ん、じゃ、私帰るね~、勘定は其処置いとくから~」
「酒も程々にな~」

彼女が飲み屋から出てきた。
彼女は、規制区域に入っていく。
規制区域とは、何も関係の無い人が入る事を禁じられた区域である。
もう、追跡は終わりだ。
__________________________________

「さて、そうよ、私が作れば良いのよ」
「セリー様。今日の仕事は」
「VOCALOIDを量産するわ」
「量産・・・ですか」
「ええ、量産よ」
「分かりました!」
これで、出来るわ。私の、理想郷が。

「何よ!!何で失敗するの!!!私は今まで直接VOCALOIDが出来るのを見てきた!!なのに、何で、ちゃんとした物が出来ないの!?」
今まで出来たものは全て紛い物ばかり。
赤いKAITOに若いMEIKO。
薄緑色のリン・レン。
黒色のミク。黄色のミク。
上手くいかない。
「ううん。諦めちゃ駄目。まだ」
現在製作中のミクは、今の時点では上手くいっている。
このまま行けば。ミクの完成・・・・の筈だった。
「何・・・!これ男の子に・・・・・」
其処にある筈のミクは完全に男の子になっていた。
「何で・・・なんで全部失敗作になるのよ!!ふふ・・・そうよ・・・これは実験台にすればいいんだわ。実験台に」

でも、ある日
「全員消えた!?」
「はい、コードA-Nも、K-Sも、AKやS-M等・・・全員。居なくなっています」
「何でよ・・・」
私は、何も悪くない。
そうよ、"私"は悪くない。悪くない悪くない悪くない。
あいつ等が悪いんだ。
他の奴等が悪いんだ。

「これで、報告は終わりです」
とりあえず。彼女にカメラを仕込んでおいた。
そして、其処に居た"亜種"を此処に連れてくる事にした。
「お母様~」
ユアさんが部屋に入ってきた。
「亜種さん達、来ましたよ~」
その中に、クオ君が居たの。
その時会ったのが、初音ミクオだったの。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

歌姫戦士ボカロボット第16話

あれ・・・・。前回の次回予告と内容違うwwwww
セリーミオエインは亜種エピソードに関係する悪役系。
この話は亜種エピ。UTAUエピ。正規エピに分けるつもり。
次回予告
ミク「私は、彼女を許さない。彼等は、彼女のせいで・・。でも、あれがなければ、私と彼は会う事もなかった。私は、彼女を憎めば良い?どうすれば良い?答えなんて無い。私が、決めるものだから。次回「セリー・ミオエイン」彼女は・・・敵!!!」

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投稿日:2011/08/11 19:21:49

文字数:1,818文字

カテゴリ:小説

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