「…やっと終わった」


最後の文章を打ち終えキーボードから手を離し、腕を上げ軽く伸びをした。

この三日間、殆ど部屋に篭っての大仕事だった。

引き受けた時にはどうなるかと思ったが人間、やればどうにかなるもんだ。

部屋を見回してその散らかりようを見れば、いかに修羅場であったか、改めて実感した。


「掃除…はいいや、明日やろう」


どのみちこの仕事が終わったことで暫くは休みがある為、時間の余裕はある。


「風呂に入って、さっぱりするかな」


その後はたっぷり寝ようと、考えを巡らせながら椅子から立ち上がった。

ドアノブに手をかけドアを開くと、目の前に黄色い髪の少年がいた。


「…ん?レン、どうかした?」


レンは答えず此方の様子を伺うように、期待と不安が入り交じった瞳をちらちらと向けてくる。

彼が何を求めているのか少し考え、ふと三日前に言った言葉を思い出した。


『暫く仕事で部屋に籠るから、大人しくしててな。終わったら、幾らでも相手してやるから』


あぁ、なるほど…。

部屋の前で待ち伏せてたのは良いものの、まだ仕事が終わったのかはレンには分からない。

だから言いたい事も言わず、此方の様子を伺っているのだろう。

まあ、大体の察しはつくけど…。

そんなレンの仕草がなんだか可笑しくて、つい笑みがこぼれた。

その場でレンの目線までしゃがむと、レンは目をぱちくりさせ此方に視線を向ける。

そのまま両手を広げ、たった一言だけ言った。


「おいで、レン」


レンは一瞬にして喜びの笑顔を溢れさせ、思い切り胸にへと一直線に飛び込んで来た。






(キミの笑顔は、疲れさえも忘れさせてくれる)









「………レン、ちょっと休憩しない?」

「ダメ」

「…レンく~ん、流石に疲れたでしょ?」

「疲れてない」

「レン様、どうか休ませてくれませんか?」

「ヤダ、まだ遊ぶ」

「………(泣)」








(教訓、不用意な約束は絶対にしないこと)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【イラストから】あそぼうよ。【Qu-ma777さん】

まずはQu-ma777さん、ありがとうございましたm(_ _)m
Qu-ma777さんのイラスト(http://piapro.jp/content/3cliqbqjn55brcaz)を見てたらつい…このもじもじ感(?)が可愛すぎるwww
拙い文ではありますが、書きたいたいように書けて楽しかったです♪
タグは何を付けるべきか分からなかったので、適当だったり←

何気に実体験を元にもしてます(笑)
子供相手に「いくらでも」なんて、不用意にも程がありますよホント…orz

閲覧数:256

投稿日:2010/07/11 19:17:59

文字数:854文字

カテゴリ:小説

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