【S】
誰が言ったか「鬼の子よ」
「父よ父よ」と泣くみのむしの
哀歌を聞けよ 長月の頃


【A】
始まりは恋唄
出会い見合い 身を添わす
女男(めおと)の契りに 偽りやなし

信頼の懺悔は
謂れ哀れ 蓑残す
夫婦の片割れ 偽りの人

【B】
涼風(すずかぜ)の疎林
離れた父の手はいずこ
居待ち月
見上げる幼子
掻き寄す鬼蓑

【S】
誰が言ったか「鬼の子よ」
「父よ父よ」と泣くみのむしは
母も知らずに 父の手を乞う

哀歌を覆う萩の声
「ここにて待てよ」と言われるまま
露もしとどに みのむしは鳴く


【A】
終わりなき請い歌
手繰り探り時は過ぐ
世稀の鬼の子 真偽や知れず

親に似て恐ろし
謂れ哀れ蓑の中
詠まれる慰め 詩(うた)は絶えなく

【B】
赤蜻蛉飛んだ
高々遠く鮮やかに
翅もなく
動けぬ幼子
隠すは鬼蓑

【S】
誰が言ったか「鬼の子よ」
「父よ父よ」と泣くみのむしの
哀歌を聞けよ 長月の頃

百瀬を超えて
「父よ父よ」と泣くみのむしの
声聞く時ぞ 秋は悲しき

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

『みのむし』

『枕草子』ベースの和風ものです。
清少納言のイメージが念頭にあるので女性ボーカルかなぁ、くらいの考えでルカさんです。

季語を織り込んでいるので読みにくいですし、みのむしの別名「鬼の捨て子」の話を知らないとわからないかもしれません(^-^;

閲覧数:109

投稿日:2011/09/24 10:53:15

文字数:445文字

カテゴリ:歌詞

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