音を奏でる。
私は音を奏でる。
間違えないように、温めるように、
そっと、やさしく。
『今回もさすがです!!』『やっぱり神』『耳に残ってしまうメロディ』
みんなコメントを残してくれる。
その中で気になるものがあった。
『あなたの曲で救われました!』
そうコメントを残っていった人がいる。
しかしあの人ではないだろう。
私が救いたいあの人ではないだろう。
「まふゆ、私はあなたを本当に救えるの?」
そう声を出す。
あの人には届かないのに。
「さすがまふゆ!今回も100点だわ!」
「うん。」
「このまま100点を取り続けて欲しいわ〜」
「うん。じゃあお母さん、私勉強してくるね。」
「しっかり頑張ってきてね!」
バタン
「…100点か…」
100点…100点…
何回取っても満たされないこの心。
「これじゃまるで人形ね。」
そう私は呟く。
100点はすごい。みんなそう呟く。
けど私の人生は?何点なの?
ああ、違う。
私の人生は100点だ。
人形の人生としては100点だ。
私はそう考える。
人形としていれば私の人生は100点なんだ。
誰が見ても100点なんだ。
けどあの人から見たら?
あの人に聞いてみたら何点とつけてくれるんだろう?
「…会ったら聞いてみよう。」
そういって、私は誰もいないセカイへ行った。
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