ハロ/ハワユ
~こんな私に気づいてますか?~

「おはよう」
いつも通りの朝。窓を開けて小さく呟いた。

「元気?」
誰もいない部屋で、私の心に聞いた。

「朝だよ」
朝が来たよ。眩しい日差し。でも、私の心は雨模様で。

「チクタク」
時計の音が聞こえる。誰か、私に元気をください―。

「おはよう」
昔のアニメにいたな。私とは正反対のキャラの主人公。雨模様の心にそう思う。

「元気?」
いいな。皆に愛されて。私は、元気を与えてくれる人すらいないのに。

「眠たいな」
馬鹿なこと言ってないで、グダグダしてないで、早く支度をしなくちゃ。

「下を向く」
涙の跡を隠すために。


口癖になってしまった「まぁいっか」
昨日学校で言われた言葉がふと脳裏を掠める(かすめる)
「もう君には全然期待してないから」
そりゃあ私だって自分がそんなに出来る奴だって思ってないよ。
でも、その言葉は一体どういうことですか?失望してしまったのですか?

「どうして、そんなこと言うの?」喉まででかかった。
つい言ってしまったのは「そうだよね。私ダメだもんね」
嘘―。
こうして私は今日も、これからも、嘘をついていく。本音を飲み込んでいく。

何故隠してしまうのですか ?笑われるのが怖いのですか ?誰にも会いたくないのですか ?
それは、本音ですか?
曖昧な自分の言葉。嘘つきの私。
そうやって、ずっと嘘をつき続けてきた。もう、苦しいよ。
「大丈夫」あなたの声が聞きたいよ。
私って、本当に、弱いな―。


一向に進まない支度の途中。寝起きで朦朧(もうろう)としている頭にふと過ぎる(よぎる)。
「もう理由を付けて休んでしまおうかな」
分かってるって。休んじゃいけないって、分かってるから。
だから、これ以上、私に、失望しないで。

"幸せ"だろうと、"不幸せ"だろうと、”平等”に”残酷”に朝日は昇る。
生きていくのに精一杯の私に、これ以上何を期待するの?私は、無理だよ。

何故気にしてしまうのですか ?本当は愛されたいのですか ?その手を離したのは誰ですか?
私に気づいてくれてますか?
もし、人生にタイムカードがあるのならば、終わりの時間は何時(いつ)あるのかな?
私が生きた分の証は誰が褒めてくれるの?誰が気づいてくれるの?


「ありがとう」
理解してくれてありがとう。

「ありがとう」
褒めてくれてありがとう。


一度でもいいから、心の底から、本気で泣いて、すべて流して、やり直したい。
「愛してくれて、気づいてくれて、期待してくれて、ありがとう」
言いたいな。


何故隠してしまうのですか ?本当は聞いて欲しいのですか?
絶対に笑ったりしないって約束して、聞いて欲しいな。


口を開かなくちゃ伝わらない。思っているだけでは分かってもらえない。
なんてめんどくさい生き物なんでしょう、人間って。
でも、それが人間なんでしょう。
これが、人間なんでしょう。


「おはよう」 おはよう―。
「元気?」 元気だよ―。

あなたにも、「おはよう」 「元気?」

あとがき。
初めまして。勿忘草です。
今回は、「ほえほえP」通称「ナノウ」様の「ハロ/ハワユ」を書かせていただきました。
この曲は、ほんと、僕そっくりな歌で聞いた瞬間涙腺崩壊した曲だと、記憶しています。
私(主人公)は小学5・6年くらいだと、思っています。その子は、昨日学校で大好きな親友に頼まれごとをされたのですが。それがうまくできなくて、期待されてないと言われてショックを受けます。
それで、自分の言いたいことを言わずに嘘ばっかついて、失望されないように精一杯頑張っているんです。
が、最後はその親友に「期待してないなんて嘘。ずっと友達だよ」そう言われて、自分の言いたいことはしっかり言おう。できないことは無理しないでいいから、できるだけの努力はしよう、精一杯生きよう、とまた、前向きになれた。
という感じで書いています。

では、ありがとうございました。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ハロ/ハワユ‐こんな私に気づいてますか?‐

期待してほしい。けど、その期待に応えられない。
だから私は引っ込んじゃって、そっといるだけ。
それでも、あなたに期待して欲しいから―。
こんな私にも、気づいて欲しいから―。

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投稿日:2012/11/06 21:11:58

文字数:1,665文字

カテゴリ:小説

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