泡沫の岸辺
泡沫よ 眠らないでいて
寒々とした 海の傍らで
ひとり 寂しげに 消えてゆくのなら
星は 海に落ちて
薄っぺらい闇 夜は過ぎていく
泡沫の歌声 パチリ弾けて
ああ、朝なんだって気付くの
空は白けた朝ぼらけ
生まれたての朝日と 潮騒の音
いつも通り いつも通り
目覚めても 夢を見ていても
泡沫よ まだここにいて
帰っていった 冬の星座に
ずっと 手を振ってる 私の傍らに
星は 海に沈み
煌めきながら 音符に変わった
泡沫の迷子は 微睡の中
ふんわりと微笑んでいたの
朝焼け染める砂浜で
潮風を吸い込んだ 忘れないように
海が揺れる 海が揺れる
一時も 重ならないまま
泡沫よ ずっと揺れながら
沈黙みたいな 波音を聞かせて
よせて かえすような 記憶のほとりで
泡沫よ 波にさらわれて
蜃気楼の街 辿り着いたときは
きっと 待っていて 記憶のほとりで
きっと 待っていて 海の傍らで
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うたかたよ ねむらないでいて
さむざむとした うみのかたわらで
ひとり さびしげに きえてゆくのなら
ほしは うみにおちて
うすっぺらいやみ よるはすぎていく
うたかたのうたごえ ぱちりはじけて
ああ、あさなんだってきづくの
そらはしらけたあさぼらけ
うまれたてのあさひと しおさいのおと
いつもどおり いつもどおり
めざめても ゆめをみていても
うたかたよ まだここにいて
かえっていった ふゆのせいざに
ずっと てをふってる わたしのかたわらに
ほしは うみにしずみ
きらめきながら おんぷにかわった
うたかたのまいごは まどろみのなか
ふんわりとほほえんでいたの
あさやけそめるすなはまで
しおかぜをすいこんだ わすれないように
うみがゆれる うみがゆれる
いっときも かさならないまま
うたかたよ ずっとゆれたまま
ちんもくみたいな なみおとをきかせて
よせて かえすような きおくのほとりで
うたかたよ なみにさらわれて
しんきろうのまち たどりついたときは
きっと まっていて きおくのほとりで
きっと まっていて うみのかたわらで
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