空は晴れ渡っていていい気分♪
私の気分も楽しくなってきて、気付いたら自然にスキップしていた。
水田と一本道が伸びてるだけで全然面白くなかったけど、お気に入りのメロディをくちずさむと、不思議とだんだん嬉しくなってくる。
ふと後ろを見てみると、一緒に歩いていた双子の弟のレンが少し遠くを歩いている。
こんなにいい天気なのにどんより曇り空みたいな顔してて、ちょっと私も不機嫌モード。

「レンー、歩くの遅いーっ」

膨れっ面でレンに向き直って言った。
レンが言い返してくる。

「リンが荷物を全部持たせるから…っ」

あ、そっか。と、納得。
買ったバナナ全部持ってもらってたんだっけ。
でも当然じゃない。だって…

「あれぇ、何言ってるの?私のお小遣でおやつ買うけど、わけてあげる代わりに袋持って、って言ったら目を輝かせてたのはどこの誰かしら?」

私は何も悪いことはしてないわ。
レンが釣られるから悪いのよ。

すると珍しくレンが言い返して来た。

「こんなに買うなんて聞いてないよ!」

そして私に袋を見せ付けて来た。

「当たり前でしょ、言ってないもの。」

そう言うと、レンが睨んで来た。
ぁ、ちょっと言い過ぎたかな、と反省。
でもこれだけで黙り込むなんて…

「レンもまだまだ青いわね」

でもそんなレンが可愛くて愛おしくて。
ついつい、いじめたくなってしまう。

相変わらず鼻歌でスキップしている私。
とぼとぼと帰路を進んでいく君。

そんなレンの姿を見ているうちに、なんとなく後ろめたくなって、どうやって謝ろうか考えていた。
バナナを私より多くあげようかな、とか、一袋くらい持ってあげようかな、とか。

そんな時だった。

「お姉ちゃんなんていらない」

最初は自分の鼻歌でうまく聞き取れなくて、風にのって聞こえて来た言葉を理解するのに少し時間がかかった。

私ハイラナイ

脳にその言葉がはっきり伝達された時だった。

白、黒、青、赤。

一瞬のうちにいろんな色が見えた。

白は、レンの言葉を理解したときの私の頭の中の色。
黒は、私のすぐそばで、けたたましいブレーキの音が耳に鳴り響いたときの色。
青は、鈍い衝撃とほぼ同時に宙を舞った私の目がとらえた色。
赤は視界いっぱいに広がったからどこの色かはわからない。

そして何も見えなくなった。
身体の感覚が全く無くなっていて、動けないし、何も見えないのに、音だけはハッキリ聞こえた。

ビニールが地面とこすれる音。
エンジンをかけようとする音。
自分の心臓が微かに動く音。
レンが呟く声。

レンには何も被害がなかったことに安心すると、次第に聞こえていた音のつまみを誰かが下げていくみたいに、聞こえなくなった。

気付いたら、私は真っ暗な暗闇の中、立っていた。
いや、立っていたというよりもそこに存在していた、というのが妥当だろう。

ココハドコダロウ

ふらふらと、右も左も分からない中さまよっていると、懐かしい声が、その空間に響き渡った。
その声は誰かの名前を何度も呼んだかと思うと、繰り返し繰り返し、謝罪の言葉を言い出した。

なぜ謝るの?

謝るのは私のほうなのに…。
あれ?そういえばこの声は誰だっけ…
あぁ、思い出した。リンは私で、この声は、大好きな…

「レン…」

出すことの出来なかった声がでるようになっている。
その声に応えるように、再び私の名前が呼ばれた。

「リン…?」

その声が聞こえたときには、重くて動かせなかった瞼を開くことができていた。

青い空が視界いっぱいに広がる。

私がみたいのは青じゃなくて…

「リン…っ!よかった、僕はここだよ、見える?」

そう、この声の持ち主。
青よりももっと近いところに橙が広がった。
それが嬉しくて頬が緩んだ。
だけどうまく笑えていないのが自分でもわかった。

君にずっと言おうと思ってたことがあるの。

「レン、ごめんね。こんなお姉ちゃんで…。バナナはお詫びに全部あげる。」

今までやってきたことの代償としては一番無難な選択だと思った。
レンもきっと受け入れてくれると思った。

しかし返って来た言葉は思っていたものとは違った。

「いやだよ…一緒に食べよう?僕はリンと一緒じゃなきゃ食べないよ…。一緒に食べるために僕が袋を持ったんだ…よ?一緒…に…」

泣いて呼吸困難になりながらも必死に伝えようとするレン。
やっぱりそんな君が愛おしい。
最後まで自分の思いをハッキリ言えないところは相変わらずなんだね。

「だから言ったでしょ、まだまだ青いわね、って…」

腕を動かしてみると右手だけ動かすことが出来た。
そのままレンの頬に優しく触れた。
涙でぬれて潤んでいる瞳で、私を真っすぐ見つめている。
必死に堪えているところが、とてもかわいい。
その顔が段々と消えて行き、気付けば再び、あの暗闇へ戻ってきていた。

神様、私はレンにまた会えますか…?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

天気雨【リン視点】

リン視点です。
再び我がコラボからのコピペです
こっちはなるべく長くならないようにしようとしたら、心情ばっかりになってしまいました。w
うちのリンちゃんは、
*頑固
*意地っ張り(素直になれない)
*ツンデレ
*レンをいじめるのが楽しい
*気が強い
*実は乙女(ロマンチスト)
*頑張るほど空回り
みたいなーっ((黙れ

さて、こちらも軽く解説を勝手に入れようと思います。
リンのよく言う青は、空の青とレンの青ですが、違いますが同じなんです。
まぁ、この辺も、ご想像にお任せ致します(ノ∀`)←
以上、ホントに軽い解説でした。w
こんな文才のカケラもないもので想像ができるのかは、かなり謎ですが、気にしない方向で(σ・∀・)σ((えぇ
目指すは師匠のような万能人でs【強制終了】

閲覧数:233

投稿日:2009/03/22 20:48:42

文字数:2,042文字

カテゴリ:小説

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  • 凪音

    凪音

    ご意見・ご感想

    ハジメマシテ、凪音といいます(*´`)
    感想ありがとうございますv
    続きですか。よし、やってみますっ
    ちょっと時間かかるかもしれないですが、いいですか。。。

    え、え、えぇぇぇ!ブ・・ブクマ!!?
    ありがとうございます(ノД`)。゜゜。

    2009/03/23 15:44:52

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