は方貴たし愛
。人恋の庫蔵冷


部屋 西 その角(すみ)
冷たい箱 貴方を入れる

逢いたくて逢いたくて
目を閉じればいつでも
瞼の裏 微笑むアナタ

時間では埋まらない
ココロの隙間があること
耐えられなかった私を
『許して』

何度でも何度でも
すがりついて吐いた愛
醜いほどの嫉妬心は針
アナタの此処には
もう私の影すらも
在りはしないのでしょう

振り下ろした 金属

────────

　かわいそうなわたしを
　おいてけぼりにして
　アナタとあの子だけで
　幸せに逃げるなんて許さない
　永遠　永久　私だけの
冷蔵庫の恋人。
　閉じ込めてあげるよ
冷蔵庫の恋人。

────────

過程 足 その次
冷たい箱 貴方を入れる

逢いたくて逢いたくて
扉を開ければいつでも
タッパーの中 微笑むアナタ

刻んでは笑えない
マトモに歪んだ愛情
耐えられなかったアナタを
『分割→保存』

何度でも何度でも
分けて、揃えて、書き込む
ラベルに日付と名前と「部位」
アナタの彼女には
もう逢わせてあげないから
たとえ爪一枚すらも

すり下ろした 塊

すり減らした 恋愛

愛した貴方は
冷蔵庫の恋人。