忘れかけていた夢と 吐瀉物まみれの便器の底
夢中になれた何か 吐き出しては流して
昔見ていた空は こんなに濁っていたっけな
僕の目をまた覆う 確かなこの赤錆
僕達は 年季重ねた 革靴の裏のように
磨り減って 剥がれて 捨てられて行くのでしょう
あの頃は お父さんのように 立派になりたかった
あの頃は お母さんのように 誰か守りたかったのに
灰皿に溜まる 吸殻の雪化粧
脱ぎ散らかしてた 夢とワイシャツ
あの頃の僕は どんな夢見てたの?
あの空の色は 鮮やかだったような
僕達は ゴミ箱の外 落ちた塵紙のように
忘れてく 重ねてく そして風化するのでしょう
あの頃は 素敵な大人に なれると思ってた
あの頃は 誰もが羨むような人になりたかった
爪噛む癖も 何も変わらないまま
投げ散らかしてた 塵芥(ごみ)と憧れ
あの頃の僕の 夢はもう忘れた
あの空の色は 醜く煤んでる
灰皿に溜まる 吸殻の雪化粧
脱ぎ散らかしていた 夢とワイシャツ
あの頃の僕は どんな夢見てたの
あの空の色は 鮮やかだったような
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