私たちは望まれた。
だからここにいる。

・・・・・

※イメージ曲
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2489916
作成者：ミゼレＰ
【初音ミク】ミクがレンに子守唄を歌ってあげてます【シューベルト】

「ねぇ・・・・これはなんていう花・・・？」
「ローズマリーって言うの。」
目を大きく開き、その花を見つめる彼女に微笑む私。
彼女は何でもわたしに聞いてくる。
夕暮れ・・・・
ベンチに座る彼女の隣で歌を歌う。
彼女は笑顔で見つめ歌を聴く。
わたしはそれを見て微笑む。
彼女は聞いた。
「ねぇ・・・・何で歌うの？」
「それはね・・・・。」

※イメージ曲終わり

目が覚めた。
太陽の光が優しく差し込んでいる。
軽く背伸びをし、わたしは彼女の部屋に向かった。

「早く起きなさい・・・何をどうやったらそんな寝姿になるの・・・？」
「うぃ・・・。」
「私着替えて行ってくるから、留守番お願いね。」
「今日だっけ・・・？」
「そうよ・・・。」
わたしは少しあきれた。

「一緒に来る？」
「いやぁ～いいやぁ～。それよかちょっと街にでも行ってくるかな。」
「早く帰ってきてね。」
「あ・・・みーちゃん。お金無いんだけど。」
「ワタシモデス」
「この年頃の女の子が、お金のことで悩むなんて・・・悲劇だわ。」

わたしは少し彼女をにらみ言った。
「今度清貧について語り合いましょうか。」
「・・・結構です。モード入ってるね。」
「ご飯あるから食べてね。」
「うぃ・・・。」
「あ・・・」
「何？」
「部屋も片付けなさいよ？」
「ハハですか？あなたは。」
「みたいなもんよ。」

わたしは家を出た。
二人が住むには大きな家。
わたしはここで一人で暮らしていた。そしてある日、リンと出会った。
リンは、私と同じものだった。
わたしたちは人間ではない。だから一緒に暮らしている。
でも、それ以上に、彼女と暮らしていると楽しい。
会った時より少し口が悪くなったけど、彼女はいい子だ。
いつも明るく、素直で私を勇気付けてくれる。

・・・少しご飯の量を減らしてくれればもっと嬉しいけど・・・。


・・・・

ミクは、少し頭を抑えた。
最近、目が眩む事が多くなってきているのだ。
しかし、歌を歌うことによりそれが解消されているようでもある。
「なんだろうなぁ・・・」
少し呟き、ミクは歩いた。
少し歩いたところに寂れた教会がある。
神父はもういないのだが、信心深い老夫婦が祈りを捧げに来るので、そこで賛美歌を歌いに行くのだ。
歌はかつていた神父に教わった。
讃美歌の意味は良く分かっていないが、歌を歌うと老夫婦が喜んでくれるので、足を今でも運んでいる。
そして、ミク自身もそれが楽しみなのだ。

・・・早く行かなきゃ・・・。