この県立明律高校に入学して二日目。
私、鏡音リンは中庭の一角で読書にふけっていた。
読んでいるのは桜庭一樹氏のGOSICKという本だ。
私は小学生のころからサスペンス系統の小説が好きだった。
周りのみんなが魔法だとかファンタジーとか言って興奮しているとき、私は密室トリックや人間のエゴに目を輝かせていたのだ。
入学式から二日目、という事もあり、学校は午前中で終わった。
生徒がたわいも無い話をしながら通り過ぎていく。
仲間なんて、友達なんて、
くだらない。
~孤独な少女は夢を見るか?~
「第一話 すべての始まり」
この明律高校は、私の実家から電車で一時間程度かかる遠い学校だ。
なぜこの学校を選んだのかというと、ただ単に中学校までの人たちと別れたかったからだ。
そして自分のキャラを脱ぎ捨て、新たな人生を踏み出す。
所謂、「高校デビュー」というやつだ。
しかし、私は結局何も変わっていない。
まだ学校が始まって二日しかたっていないが、このペースでは確実に昔と何も変わらない生活になるのは明白だ。
「・・・・・」
もう本を読む気も失せた。
もう帰ろうか・・・
私は本にしおりを挟んで閉じ、まだ真新しい鞄にしまった。
鞄を持ち直し、私は学校を後にしようと校門のほうに向かった。
「ねえ、そういう本好きなの?」
誰かに話しかけられた。
突然の事だったので、私はパニックになってしまった。
「す、すみません!」
私は自分でも何言ってんのよと思いながら全速力で校門のほうに走った。
校門の方まで走ってから、とてつもなく後悔した。
さっそく、高校デビューが失敗しそうだ。(したかもしれない)
*
*
*
*
「・・・ただいま~」
「にゃ~」
猫のアスモデウスが出迎えてくれる。
私の家は自慢ではないがお金持ちだ。
私が「明律高校に行く」と言ったらお母さんが、
「リンをあんな汚らわしい電車のシートに座らせるの嫌だから、マンション借りてそこに住みなさい。生活費は出すから」
と言ったのでお言葉に甘えて学校から歩いて8分程度のマンションに住んでいる。
私が好きで家で飼っていたペット達
・アスモデウス(猫)
・ベルフェゴール(ウーパールーパー)
・ルシファー(クサガメ)
もいっしょにここに住んでいる。
名前に関してよく質問されるが、別に厨二というわけでは(ry
むしろ、私はお父さんもお母さんも嫌いなので一人暮らしができて好都合だ。
アスモデウスの飲み水を換えて、テレビをつける。
入学して2日目では、主な授業もなかったので、勉強する必要が無い。
することがない・・・
・・・zzzz
目を覚ますと、窓の外は夜の闇に閉ざされていた。
時計を見る。19時12分。
昨日作り置きしておいた煮物を取り出し、台所の戸棚にある缶詰を適当に開け、ゴハンを済ます。
疲れたので、布団を敷いて寝ることにする。
お風呂は明日入ればいいし。
しばらくして、アスモデウスたちにゴハンをあげてないことに気づく。
アスモデウス達にごはんをあげ、今度こそ寝ることにする。
・・・zzz
*
*
*
*
*
*
昨日寝すぎたせいか、4時半に目が覚めた。
適当に食事を済ませ、お風呂に入ったりしてるうちに学校に行かないといけない時間になっている。
洗面所の鏡でリボンや髪を整え、学校に向かう。
下駄箱に着いたところで、昨日の出来事を思い出した。
あの人、どうしたんだろう・・・
まあ、過ぎた事はしょうがない。
「あ! 昨日の子だよね!話きいてえ~!!」
振り向くと、いかにも明るそうなオーラを放つ、緑色の髪をツインテールにした子が立っていた。
私がとっさの事に動揺していると、彼女が再び口を開く。
「ねえねえ、いっしょに探偵部入らない?」
ばかばかしい。
そう思っていた。
けどこれが、すべての始まりだった。
続
コメント0
関連動画0
オススメ作品
ハローディストピア
----------------------------
BPM=200→152→200
作詞作編曲:まふまふ
----------------------------
ぱっぱらぱーで唱えましょう どんな願いも叶えましょう
よい子はきっと皆勤賞 冤罪人の解体ショー
雲外蒼天ユート...ハローディストピア
まふまふ
誰かを祝うそんな気になれず
でもそれじゃダメだと自分に言い聞かせる
寒いだけなら この季節はきっと好きじゃない
「好きな人の手を繋げるから好きなんだ」
如何してあの時言ったのか分かってなかったけど
「「クリスマスだから」って? 分かってない! 君となら毎日がそうだろ」
そんな少女漫画のような妄想も...PEARL
Messenger-メッセンジャー-
ミ「ふわぁぁ(あくび)。グミちゃ〜ん、おはよぉ……。あれ?グミちゃん?おーいグミちゃん?どこ行ったん……ん?置き手紙?と家の鍵?」
ミクちゃんへ
用事があるから先にミクちゃんの家に行ってます。朝ごはんもこっちで用意してるから、起きたらこっちにきてね。
GUMIより
ミ「用事?ってなんだろ。起こしてく...記憶の歌姫のページ(16歳×16th当日)
漆黒の王子
(Aメロ)
また今日も 気持ちウラハラ
帰りに 反省
その顔 前にしたなら
気持ちの逆 くちにしてる
なぜだろう? きみといるとね
素直に なれない
ホントは こんなんじゃない
ありのまんま 見せたいのに
(Bメロ)...「ありのまんまで恋したいッ」
裏方くろ子
Hello there!! ^-^
I am new to piapro and I would gladly appreciate if you hit the subscribe button on my YouTube channel!
Thank you for supporting me...Introduction
ファントムP
小説版 South North Story
プロローグ
それは、表現しがたい感覚だった。
あの時、重く、そして深海よりも凍りついた金属が首筋に触れた記憶を最後に、僕はその記憶を失った。だが、暫くの後に、天空から魂の片割れの姿を見つめている自身の姿に気が付いたのである。彼女は信頼すべき魔術師と共に...小説版 South North Story ①
レイジ
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想