「う~~~~~~~~ん・・・・」
授業中カチコチに固まった体をほぐすのは、伸びをするのが一番いい。
「フフフ・・・ミク、みんな見てるよ」
「え?」
ルカに言われて周りを見るとクラスのみんながこっちを見ている。
「!!!・・・」
慌てて姿勢を元に戻す。恥ずかしっ。
「ミク~、顔真っ赤」
「ぅ~~、笑わなくてもいいじゃん」
「ま、そういうのは気にしないのが一番。それより今日は何するの?」
「あ~~そういえばグミちゃんに聞いてない」
「もお、しっかりしてよ。ミステリー研究会副部長!!」
そうそう、わたしはあれから、ミステリー研究会の副部長になったのだ。
ーー入学式の次の日。
「やっほー、グミちゃ・・・あれ、赤原先生、何でここに?」
部室の扉を開けると、グミちゃんの隣にわたしとルカの担任、赤原先生が座っていた。
「あ、初音さん、ヤッホー」
「やっほー、て質問に答えてくださいよ」
と言いながらわたしは二人の向かいに座った。
「で、なんで先生が・・・」
と言ったところで・・・。
ガラッ・・・・
「お~い二人ともわたしここに入るよ~・・・あれ、赤原先生何でここに?」
『それはもうした!!!!』
三人ともかぶったわ・・・。
「何も三人で言わなくても・・・」
ああ、ルカが半泣きに・・・。
「え、先生、ここの顧問なんですか?」
「そうよ、あれクラスで言わなかったけ?」
「言ってません」
あれ、と言いながら先生は頬をかいた。
「あ、先生じゃあこれ・・・」
「ん?あ、入部届?ハイハイ、受理しました!」
えいっと言いながら先生はスーツのポケットから出したハンコを押した。
「先生こっちも」
「ハイハイ巡音さんもね」
と押した後、ハンコをしまって
「さて、では決めましょうか」
「何をですか?」
「いい質問ね初音さん。それはね・・・」
『ゴクリ・・・』
「副部長と書記を決めるのよ!!」
「ああ!!なるほど!!!」
「・・・ルカ、そんなに驚いて言うことじゃないよ。ていうかそういうのならそんなにためなくても・・・」
「じゃ決めるよ~」
「無視ですか・・・」
「部長は緑絵さん、でいいのよね」
「はい」
「頑張ってね。といってもそんなにすることないけど」
「一生懸命務めさせていただきます」
「はいはいよろしくね~。副部長は?」
「はいっ!わたしやります!!」
「おおっ、やる気があっていいね!!」
「がんばります!!」
部長になれなかったから、せめてこっちはしたい!!
「じゃ、書記は巡音さん?」
「ええ~~、でもわたしそういうのはちょっと・・・」
「う~~ん、じゃあ庶務する?」
「あ、それで」
「庶務ってあるんですか?」
「ん?今作った」
「・・・それ大丈夫なんですか?」
「顧問の特権!!」
「じゃあ書記は誰が・・・」
ガラ・・・
「失礼します・・・」
青い髪の男子が入ってきた。
誰だっけ・・・ネクタイの色が同じだから・・・。
「あ!同じクラスの青峰くん!!」
そうそう入学式のとき先生見てるよって教えてくれた子!!
そう思ってると、なぜか青峰くんは部室を見渡して、
「ええと、じゃ失礼して・・・」
なにか苦いものを食べたような顔をして、出て行こうとしたが、
「ちょっと待って、ちょうど書記を探してたのよね」
と言って赤原先生が青峰くんの肩をガッシリとつかんで部室に引き戻した。
「え、ここってもう三人いるから、全部埋まってるんじゃ・・・」
「さっき庶務作ったのよね」
「ええ~」
「という訳で書記ね」
先生にはNOを言わせない迫力があった。
「はい、わかりました・・・ハァ」
というわけで、青峰カイトくんはミステリー研究会の書記になった。
「これで決まったわね」
「そうですね」
「うん
「わたしが庶務か~」
「僕が書記ね」
みんないろいろ言ってる。
わたしは音を立てて立ち上がった。
「じゃあみんな、がんばろ!!」
みんなは顔を見合わせて、笑いあった。
『うん!!』
「で、先生何するんですかこの部活って」
「特に何もしないよ?」
『ええぇ~~~~!!!』
またかぶってしまった・・・。
というのが一か月前のこと。
「グミ部長、今日何するの?」
「ミク、わたし漫画読みたい」
「一人でしてなさい、ルカ」
「冷たいよ~ミク」
とまぁこんな感じだったのだが、この日もいつも通りだと誰もが思っていた。
が、そんなのでは問屋がおろさない!!!
ガラ・・・
「ここがミステリー研究会か・・・?」
紫のポニーテールが入ってくるまでは。
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