「ちっ、また失敗作です。これで二つ目。どうしますこれ?」
ベルトコンベアーで運ばれてきた人形を手にとって、若い作業員らしき男は言った。
帽子を深々とかぶって、地味でくすんだ緑色をした作業服。その服の右胸には、「C factory」と黄色い糸で縫われた文字。工場なんかでよく見かける、模範的な服装だった。
その隣にいた隣の作業員は、
「不良品は捨てるに限るだろう。」
と、自らの作業の方に目を向けながら、ぶっきらぼうに言うだけだった。たかが不良品の一つや二つなど、自分にとっては何でもないという風に。
「そうですか……。えーと……どこに捨てればいいんですかね、これ。」
「あぁ?いい加減ゴミ処理場の場所くらい覚えろよ、新人!!……まぁ仕方ない、今回だけ特別に教えてやる。地下43階だから、そこに捨ててきな。あ、そうだ、ついでにこれも捨てて来てくれ。」
その作業員は、傍らに置いてあるいかにも古臭い段ボールを指さした。中に入っているのは、色とりどりの人形のパーツらしきもの。
「工場長が間違って注文しちまった奴なんだ。ここに置いておいても需要ないからな」
「は、はぁ……。分かりました。」
若い作業員はその段ボールを手にとると、エレベーターの方に歩み寄って行った。
中に入り、「B43F」と書かれたボタンを押す。
すると、エレベーターはその合図に従って、スムーズに動き出した。
ここは地上の1階。目的地は地下43階。つまり距離的にもの凄い間があるわけだ。
その間を行き来するエレベーターに乗っていると、何だかまるで、地獄にでも向かっているような気分になる。
いや、実際に地下43階は地獄なのだ。玩具にとってそこは『ゴミ処理場』という名の地獄。……『墓場』と言った方が正しいだろうか。
生まれてからまだ間もなく、外の世界を知らないうちに不良品はそこに捨てられ、月末に焼却処理される。
今まで幾度も焼却処理されてきた人形たちや他のおもちゃたちの事を思うと、その若き作業員は胸が締め付けられる思いになった。
人形にだって、いや、人形以外のどんな玩具にだって、意思というものはあるはずだ。
なのに不良品とみなしたら、いとも簡単に捨ててしまうなんて……。そんなのあまりに勝手すぎる。
確かに人形を作るのは主に機械で、不良品が出来るのはその機械のミスだ。だがその機械を作ったのだって元は人間じゃないか。
その作業員は言葉に言い表せないような思いで、地下43階へと向かって行った。
ポーン、とエレベーターから目的地に着いた事を知らせる合図が鳴った。同時に扉が開く。
作業員は、先輩作業員から渡された段ボールと不良品の人形を、『墓場』に丁寧に置くようにして捨てた。
「ごめんな、お前ら……。」
と言い残し、そそくさと作業員はエレベーターに戻って行った。
ネジと歯車とプライド 1
すでにコレの二次創作書いている人いたのね・・・。書き終わってから気づいたw
スイマセンw 消すつもりは無いがなw!
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