※※百合注意※※
ルカミクです。
続きはありません。
++++ 聖なる夜とは…… ++++
右見て左見て、もっかい周り見て。別に道路を渡るわけじゃないけど。ただ、邪魔者がいないかチェックチェック。うん、今日はわたしと目の前で一緒にお茶してるルカちゃんしか家にいないことは知ってるんだけど。念のため。
他に誰もいないことを再確認したところで、ルカちゃんの隣に座りなおして、一つの質問を投げる。まあ、質問と言いつつ前振りなんだけどね。
「ルカちゃん、ルカちゃん。クリスマスって何の日だ?」
「それって、歴史的経緯を聞いていたり、私の常識を測ってるわけじゃないんですよね」
「あ、うん。ルカちゃん的には何の日かなって」
小首をちょっと傾げて、ルカちゃんの回答を待つ。
な、なんでそんな眉間にしわを寄せて考えているんだろう。わたしはただ、「ミクと過ごす日」そう言って欲しいだけなのに!
「やっぱり……」
「うんうん、なになに?」
ルカちゃんの言葉に顔を近づけ、ジッとその瞳を見つめる。そして待つルカちゃんの答えは――
「クリスマスソングを唄う日でしょうか」
「ですよねー」
はあ。前にマスターが「ルカはちょっと情緒に欠けるところがあるわね」なんて言ってたけど、ちょっとどころじゃないと思う。
そりゃあ、わたし達はボーカロイドだからさ。ルカちゃんの答えは間違ってないけどさ。
だけど。
なんだろう……。ちょっと寂しいな……。
思わずソファーの上だというのに、ひざを抱えてしまう。
そんなわたしに降ってくるくすりという笑い声。もちろんその出どころはルカちゃんだ。
「ミクは慌てんぼですね。誰もミクと一緒に過ごさないとは言ってないでしょう」
「え?」
「一人でクリスマスソングを唄ったって楽しくないもの」
そう言ったルカちゃんは笑っていた。それはもう、わたしの反応が楽しくてたまらないというように。
ちょっと何? もしかしてわざとあんな答え方したの?
ジトッとした目でルカちゃんを見つめ返したら、にっこり笑顔のルカちゃんが近づいてきた。そしてそのまま触れた。わたしの唇に。彼女のそれが。
「なっ、なっ、何すんのよっ、いきなりっ」
「期待してたんでしょう。クリスマスにこういうことをするのを」
!!
ズバリ過ぎるルカちゃんの言葉に絶句。
たたた確かにそうなんだけど……。
だだだだからってなんて返事したらいいのよ。
返答に困っているわたしに構うことなく、ルカちゃんはこっちに近づいてくると肩を押してくる。あっけないくらい簡単にわたしは座っていたソファーの上に押し倒されていた。
「ルカ、ちゃん……?」
「こういうこと、したいんでしょう? でも私は嫌ですよ」
「え?」
「クリスマスまでおあずけなんて」
そう言って近づいてくるルカちゃんの笑顔は妖しげで、視線を逸らすことができない。そのまま流されそうになるが、ルカちゃんの左手がわたしの腿をなで上げたところで我に返った。
「ちょっ、ちょっと待って!」
「ミクは嫌?」
おおいかぶさるようにしていたルカちゃんの肩に手をかけ、距離を取ろうとしているわたしに向けられたのは悲しげな表情で。ちょっとその顔、卑怯だと思う。
「そ、そうじゃなくて。その前に確認させて」
「何を」
「クリスマス、一緒に過ごしてくれるの?」
「もちろん」
「二人だけで、だよ」
「もちろん」
ルカちゃんはくすっと笑うと、キスの雨を降らしてきた。優しく目尻に、頬に、そして唇に。
ただし触れたのは一瞬だけ。わたしから離れるとそれは言葉を紡いだ。
「私からも質問していいですか?」
「何?」
「続き、してもいいですか?」
……。
やっぱりルカちゃんはどこか情緒に欠けてると思う。そんなこと聞かれても答えられるわけないじゃない!
だけど「ダメ」なんてもっと言えなくて。
返事の代わりに腕を伸ばしルカちゃんをそっと引き寄せた。
「クリスマスも、期待してるからね」
貴女と二人、幸せなクリスマスを。
返事は長い長いくちづけで返ってきた。
END
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