「ミク大丈夫か?」
グミが心配そうに私に問いかけてきた。
「うん。何とか」
思ってもない言葉を言う。
大丈夫なわけない。ミクオに会いたくなかった。
ミクオを見る度私は壊れていきそうで怖かった。
また、ミクオのあの言葉が頭をよぎってしまう。
怖かった。
私の体が細かに震えているのが分かった。
「ミクちゃん。無理しちゃダメだよ?」
リンちゃんもそう私に言ってくれた。
「あれだ!! 泣きたければ私の胸に飛びコンでこい!!」
グミは私を笑わせようと、少し冗談交じりの言葉を言ってくる
(ありがとう。リンちゃん。グミ。)
心の中で私はそう呟いた。
授業中。私はいつの間にか寝ていた。
その時。夢を見た。
ううん。これは夢じゃない。これはー・・・。
これは・・・・。
昔の私と、ミクオだ。
昔の懐かしい思い出が夢となってよみがえる。
「ミク。愛してるよっ!!」
ミクオが笑顔で言っている。
思い出したくない言葉を言う。嘘の笑顔で言う。
「~・・・!!」
あれ。違う声が聞こえる。
夢じゃない声。
ミクオの声でも、私の声でもない。違う声
「~ミク!!」
誰だろう。私を呼んでいるのは誰・・・?
「初音ミク!!」
ハッ!!
その声で目が覚めた。
「せ。先生・・・。」
私の周りには、先生・グミ・リンちゃんが居た。
(あれ・・・どうしたんだろう私。確か授業中に寝てて・・・?)
「ミク?大丈夫か?」
「あの・・・私どうして・・・」
よくよく見てみると此処は保健室。
私はますます分からなくなってくる。
「ミク。お前最近また寝てないんだろ?」
グミが言う。
そう。グミの言うとおり最近全く眠れない。
どうしてもあの夢を見るのが怖かったから。
あの夢の続きも見たくないから。
でも、夢を見なくても寝るときにはミクオの事が頭によぎる。
寝たら昔の夢を見る。いや正確には夢ではない。
思い出がー・・・。
「ねえ。グミ。リンちゃん・・・。」
私は俯いた。
なぜだかポロポロと涙が出てくる。
グミとリンちゃんは黙ったまま、私が話すのを待っててくれている。
でも、涙が止まらなくてなかなか話ができない。
「先生。三人だけにしてくれませんか。」
グミが先生にそう言った。
「わかったわ。」
先生はそう言って保健室を後にした。
出てくるのは言葉ではなくて涙。
「ミク。待っててやるから。思い切りとりあえず泣け。」
グミはそう言って私を抱きしめてくれた。
「涙なんかもう出てこないと思ったのにな・・・。」
私は小さく呟いた。
「グミ。リンちゃん。私ね思うんだ言葉って人を釣り上げるためのエサって・・・。」
私はそれだけ言って、そこからは何も言わなかった。
これ以上は、まだ言えなかった-・・・。
続く
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