ドキドキ、わくわく、何をそんなに興奮してるかと言えば、今日はホワイトデーだ。女の子にとって、こんなにも期待に胸を鳴らす日は無いと、私は思う。
どうせレンのことだから、いつものようにテレビゲームを・・・違う。
テレビの音は聞こえるのだけど、レンが変な動きをしてる。怪しい。絶対に怪しい。
「レーン!!何してるの?」
私が声をかけたとたん、レンがビクッと肩を縦に揺らした。と思うと、壁側にスススと逃げていく。怪しい。どうにも行動が絶対におかしい。
「はあ・・・今日はホワイトデーだぁ・・・。カイト兄は何くれるのかなあ・・・。」
私は、わざと大きめの声で言ってみる。するとまた、レンがスススと逃げて行く。
「あ、もしかして、大きいハート型のチョコかなぁ!!」
さっきまでがさごそやってたレンの動きが止まる。はっきり言って・・・ものすごく面白い。
「それとも!一日デートしてくれたりして!!そんでもって、手つないで、帰りには送ってくれて、玄関の前でキス・・・!!」
瞬間、レンがこっちを猛スピードで振り向く。
「あぁ!!カイト兄ならやってくれそう!!!(馬鹿だから)」
レンが半分怒って、半分泣き顔になってる。プププッ超面白い!!
沈黙が数秒続き、その後ドアが開いた。そして・・・
「やっほー、レン!リン居る?メイコ姉さんに聞いても、知らないって言ってたんだけど・・・。」
カイト兄が現れた。
「カイト兄!!」
「おお、リン!!なんだぁ居るじゃん。えっとさ、この前のお返しなんだけど・・・。」
私は、カイト兄の話が終わらないうちに口をはさんだ。
「ねえ、カイト兄?えっとね、リンね・・・」
「うん?何?なんかしてほしいの?」
「そう!!えっとねえ・・・リンねえ・・・?」
私はレンの方向をちらっと見た。なんとそこには、見るに耐えない凄まじい表情のレンがいた。私は、鼻でふっと笑ってやった。もはやレンの顔は笑えるとかそういうレベルじゃない。泣いてるのか、怒っているのか、私にはどちらでも良い。
「あのね?・・・バレンタインのお返しはぁ・・・チョコじゃなくてね?・・今日一日デー・・・」
言いかけたところで、レンがからもの凄い勢いでカイト兄を部屋から押し出して、勢いよくドアを閉めた。レンはこっち側を向き、後ろに手をまわして鍵をかけた。・・・ぷぷっ。レンは、息をきらして下を向いている。
私はレンとは離れた、奥の方に行った。そしてため息をつく。
「はあ~・・・。なんか無いのかな~?」
「あるよ。」
珍しく、レンが即答した。私は、少し驚いた。レンはこういう時に限って、あやふやに返事をするからだ。
「あるよ。リンがほしいモノ。」
今度は顔をあげて、はっきり、迷いの無い真っ直ぐな瞳を私に向けた。・・・笑いそう・・・。
「ふ~ん・・・。そう。何?これは。」
私は、さっきまでレンの居たところに転がっている「モノ」を手に取る。
「そ、それはっ!!」
レンが慌てて言う。やっぱり何か隠してたんだ。私は疑いながら「モノ」の裏を返す。
「わあああああああ!!!!!!!!見るなああああああ!!!!!!」
レンが走って来て私から「モノ」を奪い取る。実はチラリと見えた。見てしまった。なんと「モノ」の裏には、「リンへ いつもありがとう」と書かれていた。これにはさすがに赤面してしまう。
「あああああもう!!見たっ!!??」
「う、うん・・・ごめん・・・。」
「マジかよ!!!!!!!!!!!」
レンは嘆息し、「まあ、いいや」と言う。そして、私を見て、その「モノ」を私に差し出す。
「はい、バレンタインのお返しのチョコ!!いつもありがとな、リン。そして、ごめんな。」
私は「ふっ」と微笑んだ。
「ありがとう。でも私がほしいモノは他にも・・・」
言おうとした瞬間レンが私の頬にそっと手を触れた。これには何も言えない。
「わかってるよ?」
「・・・・・・・・・・・」
「リンはきっと、この甘いチョコよりも、もっと甘いものを求めてる。」
レンは微笑んで、私と顔を近づける・・・。その差、数センチ。・・・・・・そしてレンは、その優しい口元をゆるめ、私の唇に重ねる・・・・・・。
チョコよりも・・・ 【小説】
イラストを描いたあとに、「小説かきて~」と思い、書いてみました。「チョコよりも・・・」小説バージョン。もうホワイトデーめちゃくちゃ過ぎてますけど・・・(おぃ
どうですかねぇ~・・・。リンとレンのイメージを崩してしまったのならごめんなさい。
ここまで読んでくださった方、お疲れ様です。そして、ありがとうございます。
・・・・・・・なんか・・・自分がここまで廃だったなんて・・・・ハマったら、どっぷりハマるヤツなんです・・・。
次はマンガ描きたいです!!!描きます!絶対に!!!
→いつ? A:一ヵ月後くらいかな!
それとも、入学式バージョンで描こうかな・・・迷ってます。どっちのほうが良いでしょうか?
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ご意見・ご感想
穂末(水鏡P)
ご意見・ご感想
こんばんは! 読みましたよ!
二人とも可愛いですね! 私は恋愛書けないので尊敬します!
ラストシーンとか「きゃーっ!」って心の中で絶叫してました(年上のくせに免疫ないんですよー)。
そしてKAITOの扱いが……(笑)。
そうですね、この小説の続きもすごく見てみたいのですけれど、せっかく冬ナツ様もそろそろご進学されるわけですし、春っぽい話題も素敵なのでは?
入学とかクラス替えとか花見とか、その他もろもろ。出逢いと別れの季節ですからねー。
この小説のキャラクターとか設定とかは引き継いで、テーマだけ変えても問題はないでしょうし。
答えになってないコメントですみません……!
2010/03/30 21:06:50
波漣
ぶっ!!!今私ひとりで吹き出しちゃいましたよ!しかも今ニヤニヤしまくりです。家族今皆いるのに・・・もう姉にめちゃくちゃ「・・・え?」て目で見られちゃいましたよ!!!
き、きゃー!!??うわわわわわわわわああああ!!!!!免疫ないなんて!なんか私がエロいみたい!!!!!ま、変人ではありますけどね(笑)
そうですか?・・・進学っ!!??いやいやいや!!精神的に進学できるかどうか・・・ってしなきゃダメなんですよ!・・・ね?小説の方は、まあ・・・時間があれば妄想しながらちょくちょく書いていきます。
クラス替え!花見!!考えてもみなかったですね???♪じゃあ、ちょっと妄想してから制限にかからないセーフなものを描きたいと思います←(どんなのを描くんだよ・・・)(きっとまたエロい・・・)
「出逢いと別れ」ですか?穂末さんはありましたか?春な出逢い♪あると良いですねえ?♪vvv
もちろん設定は変えない方向です!!KAITOもいなくちゃ笑えないですからね!!!
全然答えになってますよ!!!!ありがとうございます!!!!
2010/03/30 21:52:31